陶器のコースター出展 笠間・陶炎祭29日開幕

茨城新聞
2016年4月27日

35回目を迎える笠間焼の祭典「笠間の陶炎祭(ひまつり)」(笠間焼協同組合主催)が29日から5月5日までの7日間、笠間市笠間の笠間芸術の森公園イベント広場で開かれ、220を超える作陶家や窯元が出展し、器などの作品を販売する。出展者たちが制作した焼き締めのコースター展示会を新たに実施するなど、さまざまな企画で来場者を楽しませる。

コースターの展示会には作家約50人が参加。同組合理事長の川野輪和康さん(65)さんの提案で実現した。

笠間の土は吸水性が高く器としては欠点になることもあるが、それを逆手に取った企画で、川野輪さんは「水滴を吸収しやすく、滑りにくい、おしゃれなコースターができるはず」と考えた。

焼き締めだけに、釉薬(ゆうやく)を使わないという制限の中で、各作家はハートや葉などの形にしたり、独自の模様を付けたりするなど、魅力的な作品にしようと工夫を凝らした。

同市下市毛の武内雅之さん(69)は花柄などレース生地の模様を転写。25日の窯出し後、「きれいにできた」と満足げに語る一方で、「乾燥の際にゆがみが出ないよう、何度も裏返した」と苦労も振り返った。

このほか、好きな飯わんで卵かけご飯を味わえる「MY飯椀(わん)コレクション」▽固形燃料でご飯が炊ける鍋「竃(かまど)めし」の展示販売▽ぐいのみや猪口(ちょこ)バッグを販売する「マイ猪口倶楽部(くらぶ)展」▽作陶家が制作した土面のオークション▽同市稲田地区の石職人や酒蔵が飲食販売や展示を行う「稲田縁日」-などの企画が行われる。

陶炎祭の開催時間は会期中毎日、午前9時から午後5時まで。3日午後6時からは音楽ライブの「夜まつり」が開かれる。

来場者は昨年、初めて50万人を突破し、51万6千人が来場。今年も多数の来場が予想され、笠間地区の笠間ショッピングセンターポレポレシティ、稲荷駐車場、市民体育館、カスミ跡地の計4カ所を無料の臨時駐車場として開放し、無料シャトルバスを走らせる。

茨城交通はJR友部駅北口、笠間駅、県教育研修センターの3カ所と会場を結ぶバスを片道100円で運行。また、栃木県益子町でも同時期に陶器市が開催されるため、両会場間の路線バスを片道500円で運行する。同センター発着、両会場間のバスは平日の2日のみ運休。

陶炎祭に関する問い合わせは同組合(電)0296(73)0058

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