改装し剥製750体に増加 宇都宮・芳村野鳥自然博物館 生物多様性理解する場に
【宇都宮】西原町、会社役員芳村安司(よしむらやすし)さん(84)が58年にわたって収集した国内外の野鳥や動物の剥製などを展示する「芳村野鳥自然博物館」(緑2丁目)がこのほど、リニューアルオープンした。今にも動きだしそうな剥製は計約750体に増え、図書室も新設した。運営は個人から一般社団法人に切り替えた。芳村さんは「生物多様性の現状を子どもたちが理解する場になってほしい」と願っている。
幼少期から野鳥が好きだった芳村さんは、経営する会社の寮を改装し、2004年に同博物館を開館した。
20年5月には博物館を中心として環境教育活動を進めようと、一般社団法人を設立。新型コロナウイルスの影響で休館も余儀なくされたが、今月リニューアルし、新たな展示物をそろえた。
改装した館内では「世界の鳥」「水辺」「猛禽類(もうきんるい)」「山野」などテーマ別で展示をしている。
ハゲワシやヒゲワシのほか、里山を表現したジオラマ(立体模型)にはシカ、ノウサギ、イノシシ、ウシガエルなどの姿がある。「動物」の展示では新たにアメリカグマも加わり、キリンやカモシカなどの頭蓋骨もお目見えした。
リニューアルに合わせ、国内外のチョウ約千匹や身近な昆虫を展示するスペースも設けた。館内は段差をなくし車いすも利用できるように改修した。
野鳥などに関する図書室も新たに設置するなど、野生生物の保護意識の理解と関心を深める環境整備に努めた。
休館日は月、火曜と年末年始。開館時間は午前10時~午後4時半。入館料は大人千円、高校生以下と80歳以上は無料。
(問)同博物館028・645・8935。