最多1万3000本 有終の美 大田原 今年閉園の黒羽ユリ園 運営メンバー、感謝と誇り
【大田原】今年で閉園となる須佐木の黒羽ユリ園が20日、最後の開園シーズンを迎えた。地元有志で運営する「黒羽ユリの会」は、会員の高齢化と後継者確保の難しさから、30回目の開園を節目に幕引きを決めた。舘田岩次郎(たてだいわじろう)会長(74)は「これまでたくさんの人にユリ園を愛してもらい、感謝している。やり通せたことに誇りを感じる」と話している。最終日は7月19日。
ユリ園は1991年、休耕田を地域おこしに活用しようと、住民有志8人が会を結成して開設した。旧黒羽町の町花ヤマユリの栽培から始めたが、全員が初心者。連作障害などに苦心しながら、他のユリ園に研修に行くなどして栽培手法を習得した。ユリは1本500円で販売し、収益金の一部は市内の教育施設などに寄付してきた。
それぞれ飲食店経営や農林業などの本業の傍ら、土壌づくりや球根の手植え、消毒液の散布といった一連の作業に協力して取り組んできた。だが会員の平均年齢が70歳を超え、本業の合間での作業は労力的に困難に。数年前から「30年目まで頑張ろう」と話し合い、今日まで続けてきたという。
今年は集大成として、過去最多の1万3千本を約25アールの園内に植栽。品種は40種類で、黒っぽい色の「ナイトライダー」や、花びらが3色の「トリコロール」などは初めて採り入れた。
20日は青空の下、早咲きの品種がオレンジや白色の花を付けて園内を彩り、大勢の人の目を楽しませた。来園した北滝、丸山(まるやま)ヨツさん(84)は「ユリの花が一番好き。毎年訪れていたので閉園は寂しいけれど、最後に買ったこの6本のユリを大事に育てます」と話した。
午前9時~午後4時。(問)舘田会長090・4942・6775。
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