墨と陶、独自世界築く 伊藤若冲と富本憲吉 茨城・筑西で企画展、初公開作も

茨城新聞
2026年9月13日

江戸時代後期を代表する日本画家、伊藤若冲(1716~1800年)と、文化勲章受章者の陶芸家、富本憲吉(1886~1963年)を紹介する企画展「-京都がつなぐ墨と彩-伊藤若冲と富本憲吉展」が茨城県筑西市大塚の廣澤美術館で始まった。時代や表現が異なりながらも、既成の価値観にとらわれず独自の世界を築き上げた2人の作品が並ぶ。同展は11月8日まで。

同展は、ともに京都で活躍し、独自の世界観を築いたという点で、深い共通性が感じられる2人の名品を同時に楽しめる内容。出品作品は全て同館所蔵品で、若冲は水墨画の掛け軸を中心に32点、富本は陶芸作品と図案を合わせて58点。若冲では、このうち10点が同館初公開となる。

若冲の展示では、大胆な構図と躍動感ある筆さばきが特徴の、代表作「鶏図」など紹介。若冲は1788年の天明の大火で自宅画室を焼失後、85歳の長寿を全うするまで「米斗翁」と名乗った。この時代の自由闊達(かったつ)な作品も展示している。

富本は、東京美術学校図案科で建築や室内装飾を学び、留学先のイギリスではモダン・デザインの源流となった「アーツ・アンド・クラフツ運動」に触れ、帰国後に陶芸を始めた。展示では、色絵磁器や愛らしいタッチの図案が並ぶ。

同館の福嶋達也副館長(39)は「迫力ある若冲の作品と、彩りのある富本憲吉の作品を合わせて楽しんでほしい」と話す。

月曜休館。24日、10月13日、11月4日も休館。問い合わせは同館(電)0296(45)6228。