雨情の手紙、まめな性格 童心表す掛け軸も 北茨城市歴史民俗資料館で収蔵品展

茨城新聞
2026年4月22日

茨城県北茨城市磯原町磯原の市歴史民俗資料館で収蔵品展「私たちの宝物」が開かれている。同市出身で日本三大童謡詩人と称される野口雨情(1882~1945年)の関連資料が全展示数22点のうち18点を占めるのが特徴。自身が書いた絵付きの掛け軸や手紙、色紙などが並び、童謡の印象が強い雨情の意外な一面をうかがわせている。同展は6月7日まで。

同館が寄託寄贈を受けた収蔵品を広く見てもらおうと企画した。

雨情が旅先から磯原町にいる前妻、ヒロに宛てた絵はがきは9通展示。地名や帰宅する旨が書かれており、満州や台湾、長崎や大阪といった国内外から送っている。学芸員の早川麗司さん(51)は「書かれている内容は簡単だが、雨情のまめな性格が見て取れる。磯原とのつながりも分かる」と指摘する。

詩とともにカエルやひょうたんを描いた掛け軸も並ぶ。掛け軸には「絵も雨情」と書かれており、雨情の童心が表れている。加えて、シャボン玉を吹くネコを描いた色紙や、童謡「青い眼の人形」の詩を書いた掛け軸、日本画家の小川芋銭に表紙絵を依頼した「雨情民謡百篇」など貴重な作品も会場を彩る。

このほか、雨情の4代前の先祖、野口勝興が1809年に「観海」と彫った木製の刻字額も展示。野口家の住まいは水戸藩主の宿泊所とされ「観海亭」と呼ばれており、その由来が書かれている。野口家と水戸徳川家の深いつながりを示す貴重な資料となっている。

雨情関連以外では軍歴や心構えが書かれた「軍人手帳」や旧茨城県大津町の行政文書が並ぶ。現北茨城市への合併へ向けた7自治体の協議の過程が書かれている。また、付随の地図には地名や役場のほか炭鉱の事業所が記入されており、炭鉱の隆盛ぶりを垣間見られる。

24日と雨情の誕生日である5月29日は展示説明を行う。午前9時~午後4時半(入館は同4時まで)。原則、月曜休館。入館料は一般320円、学生100円、市外65歳以上200円。