街歩き生かした絵画 画家・加藤さんが個展 俯瞰視点 養蚕業の境町描く 22日まで 茨城

街歩きなどフィールドワークから得られた印象を基に、土地の成り立ちに迫る絵画に取り組む東京都の画家・加藤真史さん(42)の個展が、茨城県境町のS-Gallery粛粲寶(しゅくさんぽう)美術館で開かれている。かつて関東地方で栄えた養蚕業をキーワードに、東京の多摩地方や境町など利根川沿岸地域などを俯瞰(ふかん)する視点で描いた23点を展示する。同展は22日まで。
加藤さんは国内各地の郊外を実際に歩き、その土地の景観をつくってきた歴史を調べて制作に取り組んでいる。多摩地方でのフィールドワークで注目したのが、街の歴史と養蚕業との関わりだった。
加藤さんの生活圏でもある東京都八王子市は、かつて「桑都(そうと)」と呼ばれるほど養蚕業が盛んだった。各地の養蚕地帯には「金色姫(こんじきひめ)伝説」が伝わる。古代のインド(天竺(てんじく))から日本に流れ着いた姫が養蚕の技術を伝えたという。加藤さんは、金色姫が茨城県から八王子を通過し、横浜から海へと渡り歩いたと想像し、2024年から連作に取り組んできた。
一連の作品はロールプレーイングゲームのマップを思わせる地形図に、地名や建物、名所や史跡が立体的に描き込まれたユニークな作風。地形を強調したシンプルな作品から、水彩やアクリル、色鉛筆を使って彩りも豊かに仕上げた作品もある。作者の解説文も添えられている。
今回展示する連作の5期目は、金色姫が加藤さんの想像上のルートを通り、境町で東に向かい、利根川をたどって海に帰っていく想定で描かれた。加藤さんは「見慣れた風景も視点が変わると違って見える。そんな感覚を楽しんでほしい」と話している。
展覧会は町アートプロジェクトが主催した。展示は午前10時~正午、午後1時15分~5時。入館料330円(18歳未満、65歳以上無料)。月火曜は休館。問い合わせは町まちづくり推進課(電)0280(81)1314。
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