文化施設 来場増へ割引 U25若年層対象 トワイライト仕事帰りに 猛暑35度以上で

上毛新聞
2017年8月31日

美術館や音楽ホールに気軽に足を運んでもらおうと、県内の文化施設はさまざまな割引制度を導入している。若年層を対象にしたU25割や、仕事帰りの社会人を想定したトワイライト割、夏季限定の猛暑割など、来場者増に向けてあの手この手でPRしている。

世界的なホルン奏者、ラデク・バボラークさんを招いて7月に高崎シティギャラリー(高崎市)で開かれたリサイタルの会場は、楽器ケースを背負った学生など若者の姿が目立った。25歳以下には一般の3~5割の価格でチケット販売するU25割の公演だった。
学生割引と異なり、社会人も対象となる。欧州や都内で取り入れられているが、主催した高崎財団は「音楽ホールとしては県内では初導入」としている。中高年に偏った客層を改め、将来の観客の確保につなげようと本年度から一部の公演で導入した。
U25割で販売されたチケットは、初導入した5月の公演の18枚(総売上枚数は275枚)から7月は50枚(同261枚)と3倍弱に増えた。平日夜の公演に加え、今後は平日昼の公演にも導入する。
財団の串田千明事業課長(42)は「将来の観客の確保は急務。学生だけでなく、社会人になって間もない貯蓄の少ない人にも活用してほしい」と話す。
アーツ前橋(前橋市)は、午後5時以降の入館者の観覧料を値引きするトワイライト割を多くの企画展で行っている。最高気温が35度以上になった猛暑日に来館した人を対象にする猛暑割も一部で実施。9月下旬まで開催するテーマ展示「コレクション+アートの秘密」では、いずれも一般500円が300円になる。
同館の学芸員、辻瑞生さん(39)によると、トワイライト割の時間帯を狙って来る人がいるなど反応は上々。猛暑割について「館内は作品保護のために涼しくしており、クールシェアの観点からも利用してほしい」と呼び掛けている。
このほか昌賢学園まえばしホール(同市)は、来場が予想される客層に合わせて「ファミリー券」や「親子ペア」など、複数枚のチケットを同時購入すると割引する制度を導入している。