白に藍 型染め際立つ美 100年超す歴史、浜染工房(長野)の技 群馬・高崎市染料植物園で企画展

上毛新聞
2025年11月26日

群馬県高崎市染料植物園の企画展「紺屋物語―浜染(はまそめ)工房の115年」が園内の染色工芸館で開かれている。高い技術力が求められる藍の型染めを中心に作品を制作する同工房(長野県松本市)の、冴(さ)えた白地に藍色の美しさが映える着物など計41点(前期・後期で一部展示替え)を紹介。伝統を土台にしながらも伸びやかな発想で生み出される藍染めの魅力を伝えている。12月14日まで。

同工房は明治末、藍で布を紺色に染める紺屋として開業した。現在は3代目の浜完治さんが切り盛りする。会場には、「藍染めの魅力は白と紺のコントラストの美しさ」と話す完治さんの型染め着物を中心に展示。変わり麻の葉文様を地模様とし、 大柄なアザミの文様が重なる「おもかげ」や、立涌(たてわく)、七宝、星といった細かな文様を地模様とする「希望」などが並ぶ。

藍の型染めは、生地を板に張り型紙を置き、その上から糊(のり)を数回重ねるなどしてから藍で染める。経験に基づいた感覚に加え、糊作りと糊置(のりおき)に高い技術が求められ、修業の厳しさを表す「糊置3年糊8年」の言葉があるほど。糊は自分で作り、天候などによって調合を変える。糊置は連続する文様がずれないように正確に位置合わせを行い、均等に糊を置く力加減など繊細さも必要という。自身でデザインして彫ることも少なくないという文様を染め出す型紙も陳列する。

前期は24日まで、26日から後期。午前9時~午後4時半。月曜休園(祝日の場合は翌火曜休み)。一般200円など。問い合わせは同園(☎027-328-6808)へ。