《釣り》テナガエビと駆け引き 霞ケ浦、ベストシーズン 釣り上げる「間」が重要 茨城

茨城新聞
2025年7月7日

茨城県の霞ケ浦には魚類以外にも野鳥、水生昆虫、カエルなどの両生類、多種多様な生物が生息している。そして今回の釣りターゲット、テナガエビも釣り物として人気が高く、梅雨入り前後からベストシーズンを迎える。釣り自体はシンプルで誰でも楽しめると思うが、ちょっとしたこつが必要なので紹介したい。

テナガエビの釣りは「普通の魚釣り」のようにウキがピクピクしたら、さおを立てて魚の口に針をかける即アワセはしない。テナガエビがはさみでつかんだ餌を口に運び、針が口の中に入ったタイミングを見計らって釣り上げる。いわば「間」が重要な釣りだ。

この時季のサイズは8~10センチぐらいが多い

タイミングが早ければエビは餌をつかんでいるだけでバラしてしまう。遅いと手返しが悪く釣果が伸びない。この駆け引きが面白く、マニアックなファンを引きつける要因だと思う。

6月初旬の午前6時過ぎに同県小美玉市の霞ケ浦湖岸の釣り場に到着。テナガエビは身を隠す場所を好み、日が高くなると釣りにくくなる。消波ブロックのある湖岸に釣り座を構えた。

テナガエビが隠れていそうな消波ブロックの際でさおを伸ばした

今回は万能小物ざお1.8メートルに玉ウキを付けたシンプルなウキ釣り仕掛け。専用の針に、餌はアカムシが扱いやすく一般的。消波ブロック際に仕掛けを投入し、しばらくすると、ウキがピクピク、その後スーッと横に引っ張られた。

止まったところで軽く引き上げ様子をうかがうとツンツンと2、3回引いた後、さお先が軽くなった。まだ早かったようだ。

そうこうしているうちに、もう一方のさおにもアタリが。先ほどより十数秒ほど遅らせてさおを上げると今度はしっかりと針がかり。小気味よい引きでテナガエビが上がってきた。

数匹釣るとアタリが極端に減ってきたため少し横に移動し、アタリがなかったらまた移動-を繰り返す。テナガエビは釣れるポイントにまとまっていることが多く、見切りの早さも必要だ。

その後もポツリポツリと釣れ、2時間ほどで25匹の釣果。十分に楽しませてもらった。少し早めに切り上げ、夕マズメを狙って那珂川の様子も見に行き1時間ほど探り歩いた。数釣りは難しいようだが、こちらはエビのサイズが桁違いに大きく、釣り応えもあって十分楽しめる。

数釣りの霞ケ浦か、サイズ狙いの河川汽水域。今季はどちらを楽しむか、釣り比べも面白いと思う。(上州屋日立店・栗田雅博)