土器や青銅鏡159点 福島・いわきの出土品も 北茨城市歴史民俗資料館

茨城県北茨城市と福島県いわき市から出土・採集された遺物を紹介する企画展「発掘された北茨城といわき」が、北茨城市磯原町磯原の市歴史民俗資料館で開かれている。古墳時代から平安時代までに製作された土器や青銅鏡、装身具、瓦など159点を展示。両市出土の土器を一堂に楽しめるほか、初公開された北茨城市の出土品が多く並ぶのも見どころだ。同展は9月7日まで。同市制施行70周年を記念し、期間中の入館料は無料。
会場には学校や道路建設時に発掘調査が行われ、見つかった土器が多く並ぶ。鍛冶前遺跡(現市立関本小中)からは奈良から平安時代にかけ製作された須恵器や土師(はじ)器が出陳。東浦遺跡(現市立関南小)からは煮炊きに使用された赤褐色の甕(かめ)を並べた。
加えて、県道「里根神岡上線」の道路改良に伴い、仁井谷遺跡、古屋敷遺跡、神岡上遺跡(いずれも同市関南町)から発見された飛鳥時代から奈良時代の土器を初公開。いぶして内側を黒くする東北地方に伝わる技法を用いた土器と、関東地方で製作された素焼きで赤褐色をした土器が同時に並ぶ。いわき市から発掘された黒と赤褐色の土器も展示され、比較を楽しめる。
大津廃寺跡(北茨城市大津町)といわき市の夏井廃寺跡から見つかった軒丸瓦を同時に展示。模様が酷似しており、土器と同様に東北地方と古代から交流があったことをうかがい知ることができる。
このほか、南塚古墳群(北茨城市中郷町下桜井)、神岡上第3号墳(同市関南町神岡上)、尾形山横穴群(同市磯原町磯原)から発掘・採集された青銅鏡3枚が初めて一堂に観賞できたり、同横穴群から発見された勾玉(まがたま)や耳飾りなど貴重な遺物なども見ることができる。また、市立中郷中の生徒が職場体験の一環で、準備した手書きのキャプションや土器のパズルも同企画展を彩っている。
鈴木聡生涯学習課長は「多くの人に来てもらい、普段見ることができない史料から北茨城の歴史を感じてもらえれば」と来場を呼びかけた。開館は午前9時~午後4時半(入館同4時まで)。原則、月曜休館。