旅の歌 風景写真と 群馬・沼田市で生方たつゑ企画展

上毛新聞
2026年6月12日

群馬県沼田市名誉市民の歌人、生方たつゑ(1904~2000年)の旅の歌を紹介する企画展「生方たつゑ短歌風景を借りて」が7月27日まで、同市の生方記念文庫で開かれている。国内外で詠んだ18首を「出発」「海」「土地」「夜」「帰り道」の5章に分け、関連する風景写真と組み合わせて展示している。

〈身に沁(し)みて匐(にお)ふはまごうの紫ありしづかなる海に母を思へば〉

歌集「浅紅」

神奈川県の辻堂海岸を訪れた時の歌。海が身近な三重県伊勢市出身で、砂浜で目にしたハマゴウの花と母を結び付けた。

〈殉教といふ美しき抵抗をもつこともなくをはらむ吾か〉

歌集「野分のやうに」

1977年、平戸から天草(長崎県、熊本県)へと旅し、天草で殉教者に思いを寄せた。

〈酷(むご)き刑の行はれたる歴史などききて鎖骨の重きゆふべか〉

歌集「紋章の詩」

ギロチンなどの話を聞いたスコットランドの旅先の夜の思索から生まれた。

学芸員の手塚恵美子さんは「旅の風景は心の動きとともに変わる。言葉の奥に広がる旅の時間を楽しんでほしい」と呼びかける。

午前9時半~午後5時。水曜と7月21日は休館。大人110円、中学生以下無料。問い合わせは同館(☎0278-22-3110)へ。