朝鮮出兵前、秀吉の朱印状 茨城県立歴史館で公開 動員や必要物資、生活映す

茨城新聞
2026年6月2日

16世紀末の朝鮮出兵(文禄・慶長の役)を前に、豊臣秀吉が準備を通達した「朱印状」が、茨城県水戸市緑町2丁目の県立歴史館1階展示室で公開されている。県内に伝えられた約400年前の歴史資料で、当時の海外での戦争を巡る動員や必要物資から、人々の生活の実情までをうかがい知ることができる貴重な機会となっている。展示は7日まで。

1590年に全国を統一し「天下人」となった秀吉は、さらなる領土拡大を目指し、明王朝を征服しようと大陸進出を構想。遠征軍を組織し92~98年にかけて2度の朝鮮出兵を行ったが、秀吉の死去によって撤退した。

朱印状は出兵前の92年1月20日に書かれたもので、末尾には秀吉の朱印が押されている。「御陣へ十人めしつれ候(そうろう)ものゝ船につミ候荷物目録事」から始まり、秀吉軍に従軍する人員10人分の必要な荷物が書かれている。

かぶとや、やりといった戦闘の道具から、みそ入りのおけ、鍋など生活に必要な道具まで15点が箇条書きで並ぶ。15人までは同量、それ以上は20人分で用意するよう記されている。日本を離れ、長期の戦いになることを見据えた具体的な指示が記されている。

朱印状は、秀吉に仕え関ケ原の戦いで敗れた後に茨城県に流れ着き、水戸藩に仕えたとされる武家に伝わったもの。現在は同館に寄託されている。同館エントランスホールで開かれているNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」の衣装やパネルを展示する全国巡回展(入場無料、会期は31日まで)に合わせ、4年ぶりに公開した。

同館学芸課の由波俊幸課長は「400年前の文書が大切に保存され、時を超えて現代に伝わっている。歴史の重みを感じてほしい」と来場を呼びかけている。

午前9時半から午後5時(入館は同4時半)まで。