常陸国トレイル拡大219キロ 茨城県、海外誘客推進へ 新コース開通

茨城新聞
2024年5月6日

茨城県の県北6市町の里山や観光名所を結ぶ「常陸国ロングトレイル」で、新たなコース114キロが開通した。これまでに開通した区間と合わせ、計219キロに広がった。今後の利用客増加を見据え、県は本年度、インバウンド(訪日客)向けの商品開発やプロモーションを本格化し、国内外からの誘客促進を目指す。

常陸国ロングトレイルは登山道や里山のあぜ道などを歩き、地域の自然や歴史など日本の原風景に触れることができるのが特徴。計画している全コースが完成すれば、県北6市町を巡る全長320キロとなる。今回の開通で、全体の3分の2が整備された。

コース上には、花園神社(北茨城市)や世界かんがい施設遺産の十石堀(同)、高戸小浜(高萩市)、道の駅かわプラザ(常陸大宮市)など観光名所も点在。「県北地域の魅力を生かすコンテンツ」(県北振興局)として、県が2019年度から整備を進めてきた。

コースは22年度末までに常陸太田-大子間と、常陸太田-日立-高萩間などを巡る計105キロが開通。23年度末には、常陸太田-北茨城-高萩間と常陸大宮-常陸太田間の新コースがそれぞれ開通し、計219キロの整備が完了した。

県は本年度、インバウンド誘客の推進を目指し、新たなコンテンツ造成やプロモーションを強化する。英語と日本語のインスタグラム公式アカウントを新設したほか、海外旅行会社向けのツアー商品を開発し、PRを進める方針。

同局によると、23年度の利用者数は、前年の4倍に当たる4万人超に増えた。開通区間がこれまでの2倍超に広がったことで、本年度はさらなる利用者増を見込む。

このほか、県は日本語と英語を併記した4種類の地図を新たに追加。コースをエリアごとに分け、道標の位置や所要時間、歴史などにも触れ、発行済みの地図と合わせて計12種類に増やした。いずれも県内全16カ所の道の駅や県北6市町内の大型スポーツ店などで配布している。

同局の担当者は「残る約100キロ区間も早期に整備し、県北地域の消費拡大や誘客促進につなげたい」と話している。