茨城・日立の遺跡、出土品紹介 土器や石器300点 郷土博物館

茨城新聞
2024年4月27日

茨城県日立市内の遺跡調査の成果を紹介する企画展「日立のここにもあそこにも遺跡あります」が、同市宮田町の市郷土博物館で開かれている。縄文時代を中心に市内で出土した土器や石器など約300点を展示。最新の技術で得られた研究成果を分かりやすくまとめた資料が並ぶ。

遺跡や考古学を身近に感じてもらおうと企画し、市内約350カ所の遺跡のうち、学校や店舗など現代人になじみ深い場所の8カ所を紹介する。

現在は市立諏訪小が立つ諏訪遺跡に関しては、出土した縄文土器35点を展示する。市指定文化財の指定から30年を迎えた中、最近の調査で土器の底に小豆のような粒の痕跡を発見したことを紹介し、土器底の文様から復元した竹細工の敷物も並ぶ。

装飾壁が見つかった「かんぶり穴横穴墓群」については、デジタル機器を使った近年の調査で詳細が判明し、実測図を基にした想定復元図などを紹介。水木古墳では、3年前の電柱工事の際に穴の中から見つかった人物埴輪(はにわ)などを展示している。

27、28両日には同館職員による展示解説や、火おこしなどの古代体験も開催。企画した同館の猪狩俊哉さんは「同じように見える土器も、違う視点で見るとまた新たな発見がある」と話す。5月12日まで。