《食いこ》カフェp.dog5とむら(笠間市) 花咲く庭、くつろぎの時間

茨城新聞
2019年4月21日

里山に溶け込むようにある笠間市の「カフェp.dog5とむら」。街の騒がしさとは無縁の場所で、店主の戸村信子さん(72)が作る心尽くしの料理やケーキを味わいつつ、花咲く庭や山の景色を眺めゆったりとくつろげる。

戸村さんは水戸市の中心市街地で喫茶店を開いていたが、2000年愛犬とのんびり暮らそうと自然豊かな地に移った。

店名のpはプリティ(かわいい)の意味、5は当時飼っていた犬の数を表すという。現在は3匹の保護犬と暮らす。そのうちの1匹ココは店のアイドル。ドアを開けると愛想よく迎えてくれた。

水戸市出身の戸村さんは、無農薬で野菜を作ったり、自家製こうじでみそを造ったりと仲間と田舎暮らしを満喫する。「営業的には大変だが、ここの暮らしは最高」

約230平方メートルの庭もこの地ならでは。「四季折々必ず花があるように育てている」。取材に訪れた4月中旬は春らんまん。クリスマスローズ、ユキヤナギ、チューリップなどが咲き誇る。これから咲くのはリキュウバイやヤグルマソウ、チドリソウ、ニホンサクラソウ、クリンソウが咲くという。「秘密の花園なの」と居合わせた客の一人。

「ミツバチを飼っているから、除草剤や殺虫剤は使えない。自然に任せて咲く花しか植えられない」。庭の片隅に蜂の巣箱を置き養蜂を行っており、戸村さんの弟が蜂蜜とベーコン作りを担当する。

1人で切り盛りするが手作りにこだわる。レアチーズケーキは自家製の夏ミカンマーマレードをトッピングし菜の花を添えた。「春のパスタ」は菜の花と新タケノコ、自家製ベーコン。この日は朝取りの菜の花が大活躍。タケノコは「掘りたてを近所の人に届けてもらった」。季節の恵みを存分に味わえる。まきストーブで煮込んだ地物のアズキはぜんざいにする。自家製みそで味付けしたパスタや常陸秋そば粉のガレット、丁寧に入れたコーヒーも人気だ。

パステルカラーに彩られた春の山は新緑へと変わっていく。「朝と晩で山の色は変わる。毎日見てもこの景色は飽きない」と声を弾ませた。

■お出かけ情報
カフェp.dog5とむら
▼笠間市本戸4297の4
▼営業時間は午前10時半~午後5時
▼定休は月曜・火曜(祝日は営業)
▼(電)0296(74)3988

地図を開く 近くのニュース