現代陶芸 気鋭の14人 可能性映す140点 茨城・笠間

現代陶芸シーンの現在地を紹介する茨城県陶芸美術館の企画展「ザ・ヘッドライナーズ2026 キュン発力の時代」が、同県笠間市笠間の同館で開かれている。全国各地を拠点として活躍する新進気鋭の作家14人に、同館が注目し光を当てた。多彩な手法で制作された作品計140点超を展示し、陶芸の可能性を映し出す。同展は12月13日まで。
ヘッドライナーは音楽フェスなどの主役級アーティストのことを指す。同展は陶芸の世界をフェスティバルになぞらえ、意欲的に制作活動を行う作家を紹介する。2024年に始まり、今年で3回目。
副題の「キュン発力」は心のときめきを表す「キュン」と「瞬発力」を合わせた造語。作家と鑑賞者ともに、好きなものに弾む気持ちを原動力に、軽やかに行動するという意味が込められている。
同県下妻市に工房を構える塩沢宏信さん(63)は恐竜のステゴサウルスの背に猫がまたがるオブジェ「烏賊耳(いかみみ)になりました」を出品。ステゴサウルスの胴にはバイクが組み込まれている。リアルな造形で作品にストーリーを持たせるよう意識したという。
神奈川県横浜市で制作する大槻智子さん(47)はカタツムリやキノコなどの置物を並べた。白地のシンプルな造形の表面に絞り出した釉(ゆう)薬で模様を付ける「イッチン」や、土で作った模様を貼り付ける「貼花(ちょうか)」などの手法で装飾する。砂糖菓子を思わせる華やかで繊細な飾りは雨粒から着想を得ている。
会場ではこのほか、磁土の隙間を透明釉で埋める技法「蛍手(ほたるで)」で光が透ける茶器、土にはさみを入れて花の模様を浮かび上がらせた毬(まり)など、作家の個性が表れた独創的な作品を展示する。
同館の芦刈歩副主任学芸員は「陶芸ってこんなに楽しいんだという自分なりの『キュン』を見つけてほしい」と来場を呼びかけた。
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