地域に伝わる妖怪紹介 常陽史料館で企画展 錦絵や絵巻、現代陶芸 茨城・水戸

史料とアートの両面から身近に潜む妖怪の姿を浮かび上がらせる企画展「妖怪展」が、茨城県水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。地域に伝わる錦絵や図誌、絵巻物、現代陶芸など計44点(展示替え含む)を通じ、日本人が妖怪をどのように捉えてきたのかを紹介している。同展は8月29日まで。
会場に入ってすぐ、愛くるしい瞳をした河童(かっぱ)や鬼、唐傘お化けたちが列をなす陶芸作品の「百鬼夜行絵巻」が目に引く。民話や伝説上の生き物をモチーフに制作する同県笠間市在住の陶芸家、高橋協子さんが手がけた。
年月がたった道具には古来、魂が宿り、捨てられると人間に恨みを抱いていたずらする「つくも神」に化けると信じられてきた。高橋さんは「妖怪は完全な悪じゃない。人の行いをただしてくれる身近な存在」と話す。作品では「『この人誰かに似てる』という表情」を表現した。
このほか、同市在住の陶芸家、田崎太郎さんらの作品が並ぶ。
茨城県ゆかりの妖怪にまつわる史料もそろう。霞ケ浦支流の桜川に生息していたものと満蔵寺(土浦市)に伝わる「河童の手」(同市佐野子公民館保管)や、平将門伝説を基に巨大な骸骨を描いた歌川国芳の錦絵「相馬の古内裏」(坂東市立資料館蔵)、室町時代後期、霞ケ浦に注ぐ川戸(現小美玉市川戸)の鎌田川に暮らす河童の命を助けたお礼に製法を教わったとされる「刺抜きの家伝薬」(個人蔵)などを見ることができる。
学芸員の大曽根麻希子さんは「夏休み向けの、子どもも楽しめる展示。妖怪は怖いだけじゃなく、人に寄り添ってくれるものと知ってもらえたら」と来場を呼びかけた。
同展は水戸市三の丸の常陽芸文センターを第2会場とし、民俗学や哲学の立場から妖怪を捉えた茨城県ゆかりの学者、柳田国男と井上円了の関連資料を展示している。同館、同センターとも午前10時~午後5時。ともに日・月曜日、8月13~16日は休館。同館(電)029(228)1781。
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