日本画と背景の「物語」 6月28日まで、群馬・高崎市タワー美術館で収蔵展

絵画に描かれたさまざまな背景を知ることで日本画の魅力を再発見してもらおうと、群馬・高崎市タワー美術館は収蔵品展「物語る日本画」を開いている。「自然が紡ぐ物語」「故事・伝説」「幻想の世界」「物語の人々」といった六つのテーマで55点を展示する。6月28日まで。
愛知県立芸術大名誉教授、小山硬(おやまかたし)さんの「嘉峪関(かよくかん)幻想(1)」。万里の長城(中国)沿いに築かれた現存する最も大きな関所をモチーフにした。学芸員の谷津淑恵さんは「立ち込める霧の中に浮かぶ幻想的な嘉峪関は、はるか遠い時代の気配と現在が交差する悠久の物語を感じさせる」と話す。
歴史画を得意とした守屋多々志さんの「遊行柳(芭蕉)」は、芭蕉が弟子の曽良と田植えを終えたばかりの水田を眺めながら休息する姿が描かれている。タイトルのヤナギは栃木県那須町にあり、西行や芭蕉が歌や俳句に詠んだとされる他、能の演目にもなっていることをパネルで説明する。
群馬県ゆかりの高山彦九郎や天下の義人と呼ばれる杉木茂左衛門を題材にした作品、「観音」「十六羅漢」などの宗教的図像、美人画の大家、伊東深水の小説の挿絵も、それぞれの作品が持つ物語を紹介するパネルとともに並ぶ。
谷津さんは「絵を見ること、物語を知ること、その両方を行き来しながら日本画の奥深さに触れてほしい」と呼びかけている。
問い合わせは同館(☎027-330-3773)へ。
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