JR高萩駅舎100年 刻む歴史 資料館で企画展 栄えた炭鉱、「関東一」馬市 茨城

茨城新聞
2026年5月19日

JR常磐線高萩駅(茨城県高萩市高萩)の現駅舎が完成から100周年を迎えた。かつては高萩炭鉱で採掘された石炭を都市部などに運ぶ拠点として栄え、多くの貨物や客を運んできた。「馬市」も盛んで、駅は街の発展に貢献した。市内では記念の企画展や絵画の展示が行われている。

高萩駅は1897(明治30)年開設。現在の駅舎は2代目で、より多くの貨物を運搬するために、1926(大正15)年、建て替えられた。窓を模した装飾や台形屋根といった洋館風の造り、鉄道のレールを使った柱など、大正ロマンを感じるしゃれた外観が特徴。耐震工事や交番の増築は行われたが、外観は当時の姿をほぼとどめている。

1955(昭和30)年ごろの高萩駅構内(菊池寛実記念高萩炭礦資料館提供)

同駅が栄えた一番の要因は高萩炭鉱。40(昭和15)年に開業し、最盛期には約3000人が炭鉱町で生活していた。採掘された石炭を同駅から京浜工業地帯を中心に貨物列車で輸送。人の行き来も激しく、駅や街の繁栄につながった。

軍で使われる馬の競りを行う馬市も、駅周辺で開かれた。近くに軍馬の養成所があったため、神奈川県横須賀市や福島県相馬市といった遠方からも多くの人が訪れた。「高萩の馬市は関東一」と称されることもあったという。

菊池寛実記念高萩炭礦資料館事務所長の菊地啓正(ひろまさ)さん(78)は「学生時代は駅で駅弁やまんじゅうが売られていた。にぎやかだった」と懐かしんだ。

その後、駅前には商業施設や商店が立ち並び、通勤通学で利用されてきた。

同資料館は同駅に関する昔の写真や資料を展示する企画展を開いている。土、日、祝日開館。入場無料。同展は8月30日まで。