栃木県大田原市産の梨で果実酒 特区認定で「旭興」の渡辺酒造が初製造

日本酒「旭興」で知られる栃木県大田原市須佐木の渡辺酒造は、大田原市産ナシを使用した果実酒「梨の縁」を完成させた。小規模の醸造が可能になる国の構造改革特区制度を活用し、大田原ブランドを前面に出した商品だ。
高い技術力を誇る蔵元の新たな挑戦が形となり、渡辺英憲社長(52)は「ナシのお酒で縁を結び地元を活性化させたい」と話している。
大田原市は昨年3月、構造改革特区計画「おおたわら果実酒特区」の認定を受けた。これにより酒類製造免許にかかる最低製造数量基準が緩和され、大田原市産のナシ、イチゴ、ブルーベリーを原料とした小規模の醸造が可能になった。
渡辺酒造は昨年11月、規格外を中心とした大田原市産の「にっこり」を原料に仕込みを開始した。「大田原のおいしいナシをイメージできる果実酒」をコンセプトに、風味や発酵のバランスなどを試行錯誤しながら製造。今年1月上旬から瓶詰め作業を行い、今月出荷できる態勢を整えた。
「梨の縁」はすっきりとした甘さと香りの高さが特長のシードルで、炭酸の爽快感と共に大田原市産ナシが醸す風味の豊かさを味わえる。大田原市のイメージを広く発信するため、ラベルには弓の名手那須与一の「扇の的」の場面を描いた「屋島合戦図屏風」をデザインした。
渡辺社長は「初の試みとしてはうまく仕上がった。酒造りの感覚は日本酒と全く違ったが非常に勉強になった」と振り返る。今後はナシのシードルの種類を増やすことを計画しているほか、イチゴの果実酒の製造も視野に入れている。
県内の特産酒類製造の特区は大田原市のほか、那須塩原市、那須町が認定を受けている。渡辺社長は将来的に那須地区3市町が連携した取り組みも思い描いており、「横のつながりを持ちながら地域全体を盛り上げていきたい」と語った。
「梨の縁」は375ml入りで1320円。アルコール度数10%。今シーズンは2000本の出荷を予定し、那須地域を中心とした酒屋やスーパー、道の駅などで順次販売される。
⇒大田原市が「果実酒特区」を申請 特産の梨、いちごなど活用しブランド化へ
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