谷田部海軍航空隊に焦点 写真や映像、記憶を継承 つくばの資料館で企画展 茨城

茨城新聞
2026年2月2日

茨城県つくば市谷田部の谷田部郷土資料館で、企画展「戦争とつくば」が開かれている。昭和初期から終戦まで地元に存在した谷田部海軍航空隊にスポットを当て、パネルや写真、映像などで基地の様子を伝えている。戦争体験者が少なくなる中、戦争をどう語り伝えていくか考えるきっかけになりそうだ。

同航空隊は1938(昭和13)年12月、霞ケ浦海軍航空隊(同県阿見町)の分遣隊として設置され、1年後に谷田部海軍航空隊として独立した。現在の筑波学園病院(同市上横場)周辺に基地の本部や兵舎があり、南側の農業・食品産業技術総合研究機構(同市観音台)の広大な敷地が芝生の滑走路だった。

基地では「赤とんぼ」と呼ばれたオレンジ色の練習機を使った操縦教育が行われた。戦況悪化に伴い、部隊が入れ替わり、44年12月からはゼロ戦などの実用機を使った訓練が始まり、翌45年2月には特攻隊訓練に切り替わった。隊員の中から神風特攻隊「昭和隊」が編成され、隊員は鹿屋基地(鹿児島)に転進。特攻隊員54人のうち40人が命を落とした。

企画展では、谷田部海軍航空隊に所属していたパイロット、吉田一也さん(故人)が所有していた貴重な写真を展示する。吉田さんは出撃せずに終戦を迎え、2012年に90歳で亡くなった。格納庫の前で大勢の仲間たちと撮った姿や、昭和隊出撃の日に隊員たちが整列する姿を納めた写真などが並ぶ。

元航空隊員にインタビューした記録映像が見られるほか、市内にもう一つあった「西筑波陸軍飛行場」も解説している。

会期は2月8日まで。入場無料。原始・古代から第2次世界大戦までの長い時代を扱い、中世の小田城跡で発掘された刀傷のある頭蓋骨なども展示する。

市文化財課の久保田昌子さんは吉田さんの孫で、今回の企画展を担当した。久保田さんは「つくばは転入者が多く、飛行場があったことを知らない人がいる。祖父が戦時中の資料を残してくれたことは良かったと思う。戦争の記憶を継承するにはどうすればいいか、企画展を通じて考えてもらえれば」と話している。