商いの歴史たどる 看板65点紹介 銀行や店舗、茨城新聞社も 水戸で企画展

茨城新聞
2025年9月18日

江戸時代から昭和にかけて店頭に掲げられた看板を紹介する「商いの歴史 看板展」が、茨城県水戸市備前町の常陽史料館で開かれている。常陽銀行の前身となる銀行の看板をはじめ、薬局や販売店、大正当時の茨城新聞社「いはらき」の看板も展示。当時の商人たちの洒落(しゃれ)や粋に触れながら、商業活動の歴史をたどる。

県央、県南西各エリアの特性に添った計約65点を展示。同館学芸員の千葉隆司さんは「看板は『店の顔』。美しい意匠や目を引く奇抜さ、その時代ならではの面白さがある」と話す。

県央エリアは徳川斉昭が国産紙にこだわり製造させた水戸城下町の製紙所や、水戸藩の藩校「弘道館」の医学研究所で調合された薬を販売した薬局など、歴史を感じさせる看板が並ぶ。金箔(きんぱく)や絵で彩られた薬局の看板も目を引く。常陽銀行の前身「五十銀行」の重厚感ある大理石看板、大正期に茨城新聞社屋に掲げられた「いはらき」の木製看板も紹介している。

県南西エリアは人気のビールや日本酒の商品名や、ランプ用の石油販売店名といった商業看板を中心に展示。茶摘み姿を描いた茶問屋、役者絵風に仕立てた呉服店など、見た目にこだわった看板も印象的だ。

商店街を彩った企業の金属製ホーロー看板も披露され、千葉さんは「装飾性やキャッチフレーズ、材質など時代の変遷とともに発展していった看板の歴史と背景に注目してほしい」と話している。

同展は11月1日まで。開館は午前10時~午後5時。入場無料。日曜、月曜休館。問い合わせは同館(電)029(228)1781。