鉾田駅に光、往時しのぶ 企画展、ジオラマ再現 30日まで 茨城

茨城県鉾田市の市街地にあった二つの鉾田駅などを紹介する企画展「鹿島参宮鉄道-二つの鉾田駅の謎と市街地発展の理由-」が、同市鉾田の市立図書館展示室で開かれている。鉾田駅の開業時を再現したジオラマや、駅舎の写真などが並ぶ。30日まで。
同展は廃線となった鹿島参宮鉄道の鉾田駅に焦点を当てた。同鉄道は石岡駅から鉾田駅を結ぶ路線を運営。船運で鹿島神宮へつないでいた。運営会社の合併で関東鉄道鉾田線となり、関東鉄道から分離後に鹿島鉄道となった。2007年に廃線となった。
市民学芸員の浜田憲一さん(83)によると、鉾田駅は1929(昭和4)年に開業後、39年には線路を約300メートル延長し、新駅が整備されたという。わずか10年で新駅を建設した理由として、同地に鉾田陸軍飛行学校が開校となったことや、それに伴い物資の輸送も多くなったことを受けて、利便性向上を図るためだったと分析。また、鉄道の敷設に伴い、市街地に官公庁が集中してまちが活性化したことも紹介している。
企画展では、駅開設時の旧駅周辺のジオラマや、市街地が発展した49年の新駅周辺のジオラマのほか、駅舎の写真、同鉄道の設立過程、昭和初期や戦後の地図などを展示している。
鉾田市飯島、無職、真家理恵子さん(65)は「鉾田市に住んでいても、軍の関係で線路が延長して駅が変更になったことは知らなかった」と話し、興味深そうに展示物を眺めていた。浜田さんは「旧駅と新駅のジオラマを見比べることで、鉾田の市街地がどのように発展していったのか、その変化を楽しんでほしい」と語った。