栃木県足利市の美術館で7月6日まで 世界最大規模の絵本原画コンクール受賞作品が一堂に

下野新聞
2025年6月19日

2023年に開催された世界最大規模の絵本原画コンクール「ブラチスラバ世界絵本原画展(BIB)」(第29回展)の受賞作品などを展示・紹介する企画展「ブラチスラバからやってきた!世界の絵本パレード」が栃木県足利市通2丁目の足利市立美術館で開かれている。

世界各国の作家たちが自国の歴史や文化などを背景に、さまざまな技法で描いた作品と関連資料が並び、見応えのある展示となっている。7月6日まで。

スロバキアの首都ブラチスラバで2年ごとに開催されているBIB。国ごとに選ばれた作家の作品が出品され、専門家や研究者、図書館関係者などからなる国際審査員が選考を行う。

第1回展が開かれたのは冷戦下の1967年で、絵本を通じた東西の交流をユネスコと国際児童図書評議会が提唱したことがきっかけ。その時は日本人の故瀬川康男さんがグランプリを受賞した。

今回の企画展は2部構成。2023年の第29回展に出品された絵本原画とその関連資料などを展示している。実物の絵本を手に取って読むこともできる。

第1部では、今回参加した36カ国の作家計275人の中で、グランプリや特別賞を受賞した作家の絵本原画や資料約110点を紹介。チリの国民的詩人パブロ・ネルーダの詩集の世界観を美しく幻想的に描き、グランプリに選ばれたチリ人のパロマ・バルディビアさんの絵本「問いかけの本」などが並ぶ。

第2部は、今回参加した日本人作家10人によるノミネート作品や過去作、資料など約120点を展示する。あべ弘士さんがシベリアのビキン川を船で旅した実体験をもとに描いた「よあけ」、きくちちきさんが愛犬「くろ」を中心に動物たちを墨で柔らかく描いた「ともだちのいろ」などが楽しめる。

また、特別展示室では過去の受賞作の一部などを読めるほか、ミュージアムショップでは第2部で紹介した日本人作家の絵本を購入することができる。篠原誠司学芸員は「絵本を手に取り、原画と比べたりしながら楽しんでほしい」と呼びかけている。

午前10時~午後6時(入館は5時半まで)。観覧料は一般710円、高校大学生500円、中学生以下無料。28日はギャラリートークを行う。月曜休館。

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