緑に丘染めるコキア 国立ひたち海浜公園

茨城新聞
2015年7月30日

ひたちなか市にある国営ひたち海浜公園。夏休みに合わせて「とびっきり!夏フェア!」が開かれており、家族連れでにぎわっている。みはらしの丘を緑色に染める「コキア」をはじめ、青空によく映える「タイタンビカス」や「スカシユリ」など、個性的な草花の見どころも多彩。約3万2千本のコキアが、もこもこ、ふわふわと、次第に成長していく様子が楽しみだ。

国営ひたち海浜公園でコキアを見るなら、紅葉の秋に出掛けるのがいいと思っていた。だが、海のそばという立地を考えるならば、「みはらしの丘」が爽やかな緑色に染まる夏もまた、暑い季節にふさわしい風情があり、味わい深いはず。小さな〝ベビーコキア〟と呼ばれる時期を経て、緑葉コキアは8月上旬から下旬にかけて見ごろを迎える。
コキアはアカザ科ホウキギ属。和名は「ほうき草」で、枝や葉を乾燥させて、ほうきを作ることに由来している。実は「とんぶり」と呼ばれ、食用になる。形や色、歯触りがキャビアに似ているため「畑のキャビア」ともいわれ、和え物や酢の物に使われるという。ただし、同公園内にあるコキアはあくまでも観賞用の品種。
同公園広報課の安蔵桂子さんによると、今年も6月下旬から7月上旬まで2週間ほどかけて、コキアの苗約3万2千本が手作業で丁寧に植えられた。「丘の形に合わせて曲線や直線を引き、線上に穴を掘って肥料を入れます」と手順を説明する安蔵さん。植え付け時は10センチ前後の大きさだったコキアだが、取材に訪れた7月22日の時点で大きいものは約20センチに成長していた。
「8月中旬には80~90センチほどになっています。丸くてもこもこしているコキアが見られるのはこの時期です。触っていても気持ちがいい」。安蔵さんはそう話しながら、緑色の小さなコキアに優しいまなざしを向ける。「これからは草むしりと水やりが大変です。9月になり、成長が止まると花が咲きます」。その後、10月上旬から中旬にかけて紅葉が進み、みはらしの丘は少しずつ秋の装いへと変化していく。
次に訪れたのは、海岸に面して起伏に富んだ「砂丘エリア」。
海浜口のゲートそばで「タイタンビカス」という耳慣れない名前の花に出合った。「白と赤があります」と安蔵さん。咲いていたのは白で、赤い花はまだこれからのようだった。夏らしくおおらかな姿が青空によく映える。そんなことを考えていたら「1日咲いて、しぼんでしまう」と聞かされ、自然の華やかさとともに命のはかなさを感じた。
砂丘観察園路や砂礫(されき)ガーデンなどで目に入る「スカシユリ」はユリ科ユリ属。花弁の下方に隙間があることから、名付けられたという。鮮やかなオレンジ色の花が目を引く。こちらも、夏の青空によく似合っていた。

■照明で幻想的に演出
夏の夜を幻想的に彩るコキアのライトアップが8月14~23日に行われる。期間中は午後6時~9時、西口からみはらしエリアまで部分開園。
今年のライトアップはテーマを「LIFE」とした。音と光で「移ろいゆく〝コキアのLIFE〟と、そこに訪れる〝人々のLIFE〟」を表現するという。
このほか、子どもたちが気軽に水遊びを楽しめる場所として、泉の広場の「サマーキッズパーク」やプレジャーガーデンの「水遊び広場」が8月31日まで、園内に設けられている。
国営ひたち海浜公園はひたちなか市馬渡字大沼605の4。8月31日まで、休園日はなし、開園時間は午前9時半~午後6時。(電)029(265)9001。

 

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