群馬・桐生市に“映画館”が復活 老舗商店「矢野園」の米蔵で毎月上映 初回は30日

上毛新聞
2026年5月30日

織都に“映画館”が復活―。群馬県桐生市本町の老舗商店「矢野園」の米蔵で珠玉の名画を毎月上映する「矢野園シネクラブ」が発足した。限定20席の座席には、2003年に惜しまれつつ閉館した桐生市の映画館「能楽館」で使われていたものを使用。初回は30日で、米俳優、ホアキン・フェニックス主演の「カモン カモン」を上映する。運営に携わる「きりゅうシネクラブ」の神山綾さんは「能楽館に思い出がある人も、全く知らない人も一緒に作品を楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。

能楽館の椅子は、 映画に造詣が深い矢野園の関係者らが閉館時に自ら搬出し、米蔵2階で保管してきた。演奏会の客席として一時的に使うこともあったが、ここ10年は目立った利用がなかったという。

桐生市で19年11月から映画の移動上映会を続けてきた神山さんが能楽館の椅子が保管されていることを知り、「活用しなければ」と矢野園に打診。24年3月と同9月に移動上映会を開催した際に使い、さらなる活用につなげようと、矢野園と協力し定期上映会を開いていくことにした。

会場となる米蔵は気密性が高く、屋根部分までの空間も広いため、「映画観賞との相性が良い」(神山さん)。3人がけの椅子はクッションの状態も良好だといい、スクリーンを見やすいよう配置されている。

30日は午前11時半、午後3時半、同7時の上映を予定。定員は各回20人で、料金は一般1000円、高校生以下800円。近接する飲食店「近江屋喜兵衛」での食事がついたプラン(4000円、完売)も用意した。

今後は6月13日に「梅切らぬバカ」、7月4日「海辺へ行く道」、8月22日「風が吹くとき」(日本語吹き替え版)、9月12日「aftersun/アフターサン」の上映を計画する。

神山さんは「移動上映会の活動を続ける中で、応援してくれる人と一緒に映画を見られる場所があればと思っていた。興味を持ってくれたり、面白がってくれる人がいれば、ぜひ足を運んでほしい」と話している。チケットの購入は専用フォーム(https://yanoen-cinema.peatix.com/)へ。