没後20年 社会派、小林久三氏を紹介 茨城・古河 作品や自筆原稿展示
茨城新聞
2026年8月24日

茨城県古河市出身の社会派推理作家、小林久三氏(1935~2006年)の没後20年を記念したスポット展が同市中央町の古河文学館で開かれている。秋沢正之館長は「社会問題や人間性の本質に迫り、今読んでも色あせない。文壇に一時代を画した作家が地元にいたことをぜひ知ってほしい」と呼びかけている。
市内の茶問屋に生まれた小林氏は市立古河二小、古河一中、県立古河一高を経て東北大卒業後、映画会社松竹で助監督として映画制作に携わりながら1970年に作家デビュー。74年に小説「暗黒告知」で江戸川乱歩賞を受賞し、200点近い作品を残した。
徳島ラジオ商殺人事件をモチーフに冤罪(えんざい)の構図や権力悪を暴いた「傾いた橋」や、近隣国の大統領暗殺を巡る国際的な謀略を描いた「零の戒厳令」など話題となった作品は多い。
同展では小林氏の作品やその一部を抄録したパネルのほか、貴重な自筆原稿を展示。質・量ともに圧倒的な仕事ぶりを伝える。
「帝都発幻影列車」「火の鈴」など古河を舞台とした作品も少なくない。秋沢さんは「作家の中では最も多くの作品を残したのではないか。思い入れの強さが感じられる」と話した。
同展は10月18日まで。問い合わせは同館(電)0280(21)1129。
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