日本人初の脳解剖 藩医・信任ら河口家の業績紹介 古河歴史博物館で企画展 茨城

茨城新聞
2026年6月12日

江戸時代に日本の医師として初めて人間の脳や眼球を含む頭部などの解剖を行い、その成果を著書にまとめた古河藩医の河口信任(しんにん)(1736~1811年)など、河口家の業績を紹介する企画展が、茨城県古河市中央町の古河歴史博物館で開かれている。学芸員の永用俊彦さんは「後の医学の進歩への貢献は大きい。信任らの業績をぜひ知ってほしい」と話す。同展は28日まで。

河口家はオランダ商館医のカスパルから外科医術を学んだ初代の河口良庵(1629~87年)以来、蘭方(らんぽう)医を務めてきた。「カスパル流」の医術は同家に受け継がれ、後に古河藩主の土井家に仕えることにもつながった。

このうち、信任は1770年に京都の刑場で医師として初めて自ら解剖を行ったことで知られる。永用さんは当時は人体の解剖自体がタブー視されていたとし、「信任は自身の評価や立場に響く可能性があることも恐れずに、医師として強い信念を持って解剖に当たった」と説明する。

同展は72年に刊行した解剖書「解屍(かいし)編」をはじめ、信任が使ったと伝わる解剖刀や薬箱などを紹介。信任は解屍編の序文で、解剖に臨んだ理由を「一屍を解けば千万人の治術の益」(一つの遺体の解剖が多くの人の治療法の進歩につながる)としている。

開館時間は午前9時~午後5時。入館料は一般400円、小中高生100円。月曜休館。問い合わせは同館(電)0280(22)5211。