《食いこ》レストラン蔵人(茨城・常陸大宮市)

茨城新聞
2025年10月29日

高品質 こだわりの肉料理

創業41年、茨城県常陸大宮市南町の「レストラン蔵人(ぐらんど)」は、手作りハンバーグやローストビーフなど、こだわりの肉料理が自慢の老舗洋食店だ。長年、地元で親しまれる老舗の味を求め、市内外から連日多くの客が訪れる。40年にわたり、厨房(ちゅうぼう)で腕を振るうオーナーシェフの大野栄次さん(73)は「肉に合わせるソースも手作り。本物の素材を使っているからこそ、長くやってこられた」と話す。

看板メニューのハンバーグは、常陸牛とローズポークの合いびき肉を使用する。大野さんは注文を受けてから一つ一つ丁寧に手ごねし、両面に焼き色を付けた後、フライパンごとオーブンへ。熱々のハンバーグにかけるソースは、こくの深いデミグラス、トマト、和風の3種類。風味豊かでやわらかくジューシーなハンバーグとの相性は抜群だ。

こだわりのローストビーフ

さらに同店お薦めの逸品が、常陸牛のもも肉を使った自家製「ローストビーフ」。オーブンで約3時間半をかけ、3段階に分けた低温でじっくり調理する。肉本来のうまみが凝縮されたローストビーフは、赤身の鮮やかな肉の見た目も映え、食欲をそそる。

自慢の肉料理は、同市内にある「大野精肉店」が支える。精肉店は大野さんの実家で、現在はおいが切り盛り。高品質の肉を直接仕入れることができ、肉の味を知り尽くすベテランシェフがさまざまな料理へと昇華させる。肉料理以外、ドリアやパスタ、ピザなどを提供。欧州産ワインも常備する。

丸い屋根が特徴的な外観

店は1984年10月にオープン。大野さんはシェフになる前、実家の精肉店で働き、独り立ちを目指して飲食店で修業。一番の思い出は、同県ひたちなか市のレストラン「グールマンド」のシェフ、砂押博さんの下で経験を積んだ日々で「仕事に取り組む姿勢や基礎を覚えた」と大野さん。交流は続き、今も助言を求めることがあるという。

店内は木のぬくもりを感じさせる造りで、料理とともにゆったり過ごせる空間が客を引き寄せる。大野さんは「親子3代で来る人もいる。私の作るハンバーグとローストビーフを堪能してほしい。いいものをしっかり出していきたい」と笑顔で語った。

お出かけ情報
▽茨城県常陸大宮市南町3101の92
▽ランチ午前11時~午後2時、ディナー同5~8時(金、土、日曜)、日曜メニューは昼夜同じ
▽定休日は月曜(祝日は営業)
▽(電)0295(52)1791