《食いこ》軽食ニューテンポ(茨城・水戸市)

■クロワッサンおでん人気
茨城県水戸市石川1丁目の「軽食ニューテンポ」は、おでんや台湾茶などがメインの軽食と喫茶の店だ。今年3月に開店した。同市出身の店主、飯田彩加さん(38)はイラストを描き古着や古布を材料に人形などを制作する作家。「材料が増え過ぎ、物置兼仕事場を探していたところ、知人を介してこの物件に出合った」ときっかけを話す。
建物は元美容室。1990年に建てられたが、外観や店内のしつらえは昭和の雰囲気を色濃く残し、夫の優希さん(41)ともども「一目で気に入ってしまった」という。美容室の文字サインは店名スタンドより目立って一瞬戸惑う。広い店内をアトリエと物置にしておくのはもったいない。何かできないかと考える中で浮かんだのが飲食店。

一番の変わり種「クロワッサンのおでん」
しかし経験はゼロ。何を売りにするか2人で食べ歩き、研究を重ねて「どうせやるなら好きなものを」とたどり着いたのが、カジュアルでオリジナル、気軽に食べられるおでん。
ただ「普通のおでん屋にはしたくなかった。比較されない、周辺にない店を目指した」と彩加さん。厨房(ちゅうぼう)は専門業者に任せたがカウンターや内装は自作。待合室の作り付けソファを残し、天井からはお釜型のドライヤーも下がる。
かつお節、昆布、いりこのだしにみりん、しょうゆで味を調えたつゆで、季節野菜を煮込む。豚肉などのほか、餅入りの袋煮は手作り。焼きおにぎりやたこ焼きなど個性的な具材も。

美容室のサインをそのまま残した店舗
一番の変わり種は「クロワッサンのおでん」。名前の通りクロワッサンにバターをのせ、熱々のおでんつゆを回しかける。つゆを含んでやわらかくなったパンは和風オニオングラタンスープのような香りと歯応え。口に含むと、なぜか入っていないチーズ風味が広がる。茨城新聞でおなじみの料理研究家、堀祐子さんに聞くと「だしのグルタミン酸がバターの味を引き立て『味変』したのでは」という。
水出しの「コウバシ茶」や「麦しょうちゅうのお茶割り」など、おでんに合う飲み物も用意した。「泡盛のソーダ割り」は沖縄の器で提供する。彩加さんは「懐かしい空間や雰囲気の中で、利益や効率を求めず、生活の余白を楽しみ、地域の人が集えるお店にしたい」と今後を話した。
■お出かけ情報
▽茨城県水戸市石川1の3798の6
▽営業時間は午前11時半~午後5時(金曜は午後6~10時)
▽木曜はおでんは休みで「カレーの日」
▽定休日は火、水曜。毎月の営業はインスタグラム@newtempo_mito

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