《食いこ》八雲珈琲(笠間市) 焙煎機自作 こだわりの味

茨城新聞
2018年7月29日

笠間市役所近くの住宅地に自家焙煎(ばいせん)のコーヒー店「八雲珈琲」がある。家具職人の菅谷豊さん(69)が昨年8月に開いた。焙煎機を自作した菅谷さんこだわりのコーヒーが味わえる。

菅谷さんは1975年にツル工芸を創業、無垢(むく)材の注文家具の製作を行う。個人用の焙煎機を自作するほどのコーヒー好き。さらに、約1年かけ試行錯誤しながら容量の大きい焙煎機を製作したことから、コーヒー豆販売と喫茶の店を開いた。

コーヒーは「注文を受けてからその都度豆をひき、ハンドドリップ式でいれる」。ひいた豆に湯を注ぐと、みるみる膨らんだ。「膨らむのは焙煎したての新鮮な豆だから。時間がたった豆は酸化してガスが出て膨らまなくなる」と菅谷さん。

コーヒーは雑味がなくすっきり。その味わいを生み出すのがハンドピックと新鮮な豆。「ハンドピックは仕入れた生の豆から悪い豆を除く。焙煎後も悪い豆をはじく」と丁寧に豆を選別する。「新鮮な豆がおいしい」と焙煎したての豆をそろえておくため、ストックは少なめにしている。

コーヒーは笠間焼で出される。ブレンドは飲みやすい「マイルド」とこくのある「ナイスボディ」の2種類。ストレートはモカやマンデリン、トラジャなど10種類をそえろえる。アイスコーヒーは水出しの「マイルド」とドリップ式の「ストロング」。暑い季節はストロングがお薦め。生の果実をその場で搾るオレンジジュースやコーヒーゼリーもある。

テーブルや戸棚、カウンターなどの家具からミルク入れなどの小物類まで熟練の技を生かした作品が店内を彩る。ショップカードやコーヒーチケットなど印刷物のデザインも手掛けた。

中でも目を引くのは自作の長さ2メートル50センチ、8人掛けのテーブル。「初めての人が店に来てもテーブルを囲んで会話が弾むように」と設置した。「縮み杢(もく)」という木目の模様が美しいトチノキの1枚板。「こんなきれいな板はない。ぜひテーブルも見てほしい」。定休日は家具作りに励むという職人の顔をのぞかせた。

■お出かけ情報
八雲珈琲
▼住所は笠間市八雲2の5の7
▼営業時間は午前10時~午後6時
▼定休は月・火曜
▼(電)0296(77)6334

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