元予科練生の油彩画展示 阿見で故加納さん 追悼、旧海軍機描く 茨城

茨城新聞
2024年9月23日

茨城県阿見町廻戸の予科練平和記念館で、元予科練生の加納康夫さん(故人)が描いた旧日本軍の戦闘機や戦艦の油彩画が展示されている。作者から同館に寄贈された33点のうち15点と関連資料4点を展示している。

加納さんは1929年、岐阜県大垣市に生まれた。15歳になって間もなく、甲種第15期予科練生として三重海軍航空隊奈良分遣隊に入隊。45年6月、戦況の悪化により予科練教育は中止され、パイロットとならずに終戦を迎えた。

空への憧れや特攻で命を落とした先輩を追悼する気持ちを込め、終戦後は会社勤めの傍ら旧海軍機の絵を描き続け、2008年に同館に寄贈した。作品は今回が初公開となる。

2人乗りの練習用機で「赤とんぼ」の愛称がある九三式中間練習機(水上機型)は、朱色の機体で空を堂々と飛ぶ姿が描かれている。同館の所蔵品から同機の部品も併せて展示した。このほか零式艦上戦闘機(ゼロ戦)や戦艦「大和」をはじめ、艦上攻撃機「天山」局地戦闘機「雷電」、陸上爆撃機「銀河」などの作品も並ぶ。

同館の山下裕美子館長補佐は「特攻に向かった予科練生たちに思いをはせてもらえたら」と話す。企画展「加納康夫海軍機絵画展Ⅰ」は10月27日まで。午前9時~午後5時(入館は同4時半まで)。入館料は大人500円、小中高生300円。月曜休館。同館(電)029(891)3344。

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