グラスアートの興隆紹介 黎明期、多彩な102点 茨城・笠間の県陶芸美術館

茨城新聞
2024年1月15日

20世紀後半のグラスアート黎明期の各国の作品を紹介する企画展「グラスアート・ライジング 藤田喬平、リトルトン、リベンスキーと世界の作家」が、茨城県笠間市笠間の県陶芸美術館で開かれている。展示作品は、総合商社の関彰商事(同県筑西市)が所有するコレクション。米国を中心に、旧チェコスロバキア、日本など各地でグラスアートが興隆し広がった歴史を解説。多彩な技法を持ち、潮流をリードした作家23人の作品102点を並べている。

ガラスは当初、主に工業製品として扱われていたが、1960年代ごろから作家が独自の表現を追究する素材として着目され始め、「グラスアート」が誕生した。米国のハーヴェイ・K・リトルトン氏はグラスアートの世界的パイオニア。展示された作品「ブルー・スプレー」「ルビー・スプレー」は、何層にも重ねた色ガラスを引き延ばし、大きく湾曲した力強い形が印象的な代表作だ。

国家的にガラス芸術を重視した旧チェコスロバキアでも、「グラスアート」を巡る機運は早くから高まった。同国のスタニスラフ・リベンスキー氏と妻のヤロスラヴァ・ブリフトヴァ氏の制作した作品「ヘッド・クィーン」などが紹介されている。

日本のグラスアートをけん引した、藤田喬平の作品も展示されている。代表的な「飾筥(かざりばこ)」の作品群は、琳派に影響を受けた。色ガラスや金銀の箔(はく)で華やかな装飾が施され、どっしりとした存在感がある。

また、アール・ヌーボー盛期に優美で華やかなガラス作品で名声を得たボヘミアのレッツ工房の作品も並べられている。

5日、関係者らを招いて式典と内覧会が行われた。金子賢治館長は「グラスアートの中心的作家、しかも代表作が茨城にあることに驚きがあった。有数のコレクションを県内外の多くの人に広めていきたい」と話した。

会期は4月7日まで。