「地衣類」の生態詳しく 標本など630点展示 茨城県自然博で企画展 来年1月まで
茨城新聞
2023年10月13日

ガードレールなど身近な場所にも生息する「地衣類」について紹介する企画展「地衣類-木を、岩を、地面を彩る身近な生きもの-」が、茨城県坂東市大崎の県自然博物館で開かれている。多くの人が知らない地衣類を標本などで分かりやすく展示し、生態や他の生き物との関わりを紹介している。来年1月21日まで。
地衣類は、世界で約2万種、日本で約1万8千種が確認され、街路樹やブロック塀などにも生息しているにもかかわらず、その名前がほとんど知られていない。樹皮や岩に着生するウメノキゴケなど名前に「コケ」が付くものが多くあるがコケ植物ではなく、菌類とミドリムシなどの藻類が共生している点が特徴だ。
同展では約630点を展示し、ハクテンゴケなど樹脂封入の標本を触って観察できるコーナーも設けた。染料や装飾品、あめ、お茶の材料になる地衣類も紹介している。
企画した福田孝首席学芸主事は「地衣類を知る入門編として展示した。身近な自然に目を向けるきっかけにつなげてほしい」と話している。頭部が赤いコアカミゴケなど同館野外で観察できる地衣類マップも配布している。土日祝日などは事前に予約登録が必要。
問い合わせは同館(電)0297(38)2000。