渡良瀬遊水地の野鳥131種 振興財団がガイドブック

茨城新聞
2016年4月20日

野鳥観察を通して子どもたちに渡良瀬遊水地の環境保全に関心を高めてもらおうと、渡良瀬遊水地アクリメーション振興財団(栃木県栃木市)が「渡良瀬遊水地 野鳥ガイドブック」を刊行した。絶滅危惧種のオオセッカなど遊水地で撮影された131種の野鳥の写真を収録。鳥の生態や探し方などが分かりやすく紹介され、大人にも役立つ格好の観察の手引きとなっている。

主に執筆した元古河市立古河一中校長で渡良瀬遊水地野鳥観察会会員の関口章さん(66)=同市=は「遊水地の素晴らしさを伝えたい」と話している。

遊水地は2012年、水鳥の生息環境保護を目指すラムサール条約湿地に登録された。これまで国内で確認された野鳥の約半分に当たる261種が同所で観察されている。

関口さんは古河市で生まれ育ち、遊水地の自然に親しんできた。同書には自ら撮りためたものだけでなく、他の野鳥愛好者から提供されたヘラサギやクマタカ、ケアシノスリなど珍しい野鳥の写真も収録されている。

関口さんは「鳥の観察を通して生物の進化への子どもたちの関心を高めたい。遊水地の持つ多様な生物環境を次世代に伝えたい」と執筆の意図を語る。

同書はA5判、カラー96ページ。定価100円。体験活動センターわたらせ(栃木市藤岡町内野)と湿地資料館(同市藤岡町藤岡)の2カ所で販売。

問い合わせは同財団(電)0282(62)1161

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