民話発掘マップに 常陸太田の市民団体

茨城新聞
2016年4月13日

 常陸太田市内の民話の掘り起こしや読み聞かせを行っている市民団体「銀河ステーション文庫」(石月ひろ子代表)は、同市内の民話を掲載した「常陸太田市民話マップ」の旧里美、水府、金砂郷地区編を作成した。同マップは2014年に発行した旧常陸太田地区編に続き2作目。

 銀河ステーション文庫は1996年に「郷土を知ることが郷土愛につながる」と石月代表が活動をスタートし、今年で発足20周年を迎えた。これまでの活動が評価され、民話マップ作成は同市の「市民提案型まちづくり事業」に採択されている。マップは助成金を活用して5千部を作り、市立図書館などで無料配布する。

マップには旧常陸太田地区編と同じく20話を掲載。同市天下野(けがの)町の地名の由来や江戸時代の実話「二孝女物語」など、民話や伝説の粗筋をイラストや写真ととも紹介している。紙粘土で作った人形を民話にまつわる地域で写真撮影しマップに掲載した、地域おこし協力隊員の、なるさんは「民話は暗い話や怖い話が多いので、(人形は)子どもが親しみやすいようにポップな色を使った」と話す。

会員らは対象地区を丹念に歩き、地域住民に取材した。前回と比べて取材範囲が広がり、制作期間は倍近い約2年を要した。イラストや写真は図書館ボランティアなど、同文庫の会員以外からも提供されており、石月代表は「みんなの協力を得て仕上がった分、思い入れが強い」と感慨深げだ。

原画展は14日までが午前10時から午後3時まで、15日は午前10時から正午まで同市立図書館で。

書籍ではなくマップを作った理由を「手軽に持ち運べるから」と説明する石月代表は、「現地を訪れれば、より地域に愛着や興味が湧く。ぜひ足を運んでもらえれば」と話している。

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