藤田東湖揮毫のぼり初公開 日立市郷土博物館 40周年「市宝展」

茨城新聞
2016年4月8日

 日立市郷土博物館の開館40周年を記念した特別企画展「市宝展」が、同市宮田町の同博物館で開かれている。5万点に及ぶ収蔵品のうち、これまで公開することが少なかった貴重な資料や県指定・市指定文化財など、よりすぐりの約100点を展示。40年間の収集・保存の成果を紹介している。5月8日まで。
 展示は地学、考古学、歴史など6分野で紹介。統計書や調査書、広報刊行物など歴史資料になりつつある行政資料も加えた。地学ではカンブリア紀層の変成花こう岩や銅鉱石の岩石標本など。考古学では十王台式土器(県・市指定)、諏訪遺跡出土遺物(市指定)など。美術では絹本著色阿弥陀如来来迎図(県指定)など、広範なジャンルの資料を楽しめる。
 歴史分野では諏訪神社、縦10メートル、幅1メートルの大のぼりを初公開。大のぼりは1853年に同神社へ献納するに当たり、水戸学藤田派の学者、藤田東湖が氏子の依頼を受けてしたもの。
 民俗資料の日立風流物と人形かしらの展示では、県指定の122個のかしらから代表的な21個を展示。併せて各時代の風流物公開の様子を8枚のパネル写真で紹介している。
 同博物館では「日立の鉱工業都市以前の意外な姿や、踏み込んだ歴史の側面が見られる内容。収集・研究の成果を改めて多くの人に見てもらいたい」と話している。
 開館時間は午前9時半から午後4時半。25日は休館。入場無料。

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