絶滅危惧種・オキナグサ咲き始める 塩谷

下野新聞
2016年4月6日

 塩谷町大久保の鬼怒川左岸河川敷で絶滅危惧種のオキナグサが咲き始めた。花が落ちた後は果実が白い綿毛のようになり、名称の由来となった翁(おきな)の頭のようになる。この様子は4月中旬ごろから始まり、5月初旬ごろまで見られるという。

 オキナグサは県のレッドデータブックで「絶滅の危機にひんしている生物」の絶滅危惧Ⅰ類(Aランク)に分類。園芸のための採取や河川改修による生育環境の変化で自生地が減った。

 大久保地区では住民が乱獲防止のための監視など保護活動を続け、株数が年々回復。観賞を呼び掛ける広報活動を通じ見学者が増え、バスツアーのルートにもなっている。

 ことしは3月下旬から開花。群生の規模は例年通りだが、寒の戻りで昨年よりも生育が遅いという。4月半ばにかけて次々に開花する見込み。

 植物画グループの仲間とスケッチに訪れた宇都宮市白沢町、小林弘子(こばやしひろこ)さん(75)は「自生地だから新芽から枯れるまでの様子が見られるのが魅力。間近で観賞できるのは何より」と目を細めていた。

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