ひな人形、蔵に映え 2月4日から、桜川・真壁でまつり

茨城新聞
2016年1月28日

国の重要伝統的建造物群保存地区に選定され、情緒漂う街並みが魅力の桜川市真壁地区で2月4日から、見世蔵などを舞台にした「真壁のひなまつり 和の風第十四章」(実行委員会主催)が始まる。歴史ある街を彩るように、江戸時代から明治、大正、昭和、平成にかけてのひな人形のほか、地域住民が手作りのつるしびななどを飾り、店先で披露。大勢の観光客が見込まれる。市商工観光課は「天候が良ければ期間中の来訪者は例年を上回る12万人を想定している」という。

「寒い中、真壁に来てくれる人をもてなそう」と、住民の温かい思いから始まったひなまつりも、14回目を迎える。全国的な知名度が上がり、リピーター客も増えてきた。今回も雑誌などで取り上げられ、早くも盛り上がりを見せる。約170軒が1カ月のまつり期間中、さまざまなひな人形を飾る。

ひなまつりでは派手なイベントはできるだけ避け、ゆっくりひな人形を観賞できる雰囲気づくりを大切にしているという。店舗では呼び込みもせず、「和やかなひなまつりにしたい」と実行委。

2010年に同保存地区に選ばれた真壁地区の中心部には、江戸から昭和初期に建てられた300棟以上の見世蔵、土蔵、門が軒を連ねる。国の登録有形文化財も多く、地域住民が守ってきた街並みが残る。

しかし、11年3月の東日本大震災で屋根が崩れるなど歴史的建造物の多くが被害を受けた。修復中の建物も依然として残るが、修復工事が終わった建物が少しずつ増え、街もよみがえりつつある。

会期は3月3日まで。期間中は会場周辺に臨時駐車場が多数設けられる。会場へは公共交通機関がないが、2月20日からはつくばエクスプレスつくば駅やJR水戸線岩瀬駅からバスが運行される。問い合わせは桜川市商工観光課(電)0296(55)1159

■押し絵びな初出品 金物店の石田さん
 「真壁のひなまつり」会場では歴史的なひな人形が数多く並ぶ中、手作りのひな人形も人気を集める。桜川市真壁町真壁の建築金物や農工具などを扱う創業約100年の「石田金物店」には期間中、石田晶子さん(66)が手作りしたつるしびなが店内を飾る。

 石田さんは趣味で20年ほど前からつるしびな作りに取り組み、2003年に始まったひなまつりも2回目から参加し始めた。石田さんは「着物の古い生地から作品を作り上げるが、完成した際はとてもうれしい。いわゆるちりめん細工で、使わなくなった生地が作品としてよみがえったときの喜びが大きい」と話す。
 
 つるしびなが始まったのは江戸時代といわれ、ひな人形が高価なことから庶民は皆で小さな人形を作り、持ち寄ってつるす形にしたという。特に伊豆稲取地方の風習として根付いている。「子どもが元気に育つようにと心を込めて一つ一つ作ったのでしょう」と石田さん。

 ひなまつりでは「毎回違うつるしびなを飾ろうと努めています」と店の営業を終えた夜に手仕事で取り組む。申(さる)年にちなんだつるしびなも作るという。「今年は長野県松本市周辺で有名な『押し絵びな』を初めて飾ります。10個作ったのでぜひ見てもらえれば」。毎年、石田さんのつるしびなを楽しみに訪れる人も増えているという。

 石田金物店は現在、長男の吉治さん(38)が社長として手腕を振るう。真壁のひなまつり実行委員会の副委員長としてまつり運営にも関わる。店舗脇の敷地内には1940~50年代に敷設されたレールがあり、店舗裏の倉庫まで約100メートル続く。ひなまつり期間中は大勢の鉄道マニアも見物に訪れるという。現在も資材の運搬に使われており、貴重な歴史的遺産を見に来るのもいいかもしれない。

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