《上州真田》真田氏開いた水利で米 小松姫の名冠し販売 沼田の金井農園

上毛新聞
2016年1月5日

戦国武将の真田氏が整備した用水で育てた沼田の米を全国にアピールしようと、農業生産法人の金井農園(沼田市白沢町上古語父、金井繁行社長)は真田氏初代沼田城主、信之の妻の名前を冠した米「真田のコシヒカリ 小松姫」を売り出す。信之の弟、信繁(幸村)が主人公のNHK大河ドラマ「真田丸」の放送が始まる10日に通信販売を始める。
河岸段丘の台地上にある沼田は水利が悪く、信之ら歴代城主が大小百あまりの用水を整備し新田開発を進めた。現在でも農業に利用されている。金井社長は「真田氏は規模は小さくとも知恵と工夫で生き延びた、いわば特色ある中小企業の社長」と評する。
こうした功績を知ってもらおうと、金井社長は真田氏を活用した米のブランド化を計画。松代真田家現当主の承諾を得て2014年11月、稲姫の幼名で知られる「小松姫」を商標登録した。
15年の新米が国内最大のコメ品評会「米・食味分析鑑定コンクール国際大会」で約5千点の中から最高賞の金賞(18点)に選ばれた。生産した1300俵(7万8千キロ)のうち食味検査で80点以上のものを1キロ600円(税抜き)で販売する。
金井社長は「沼田の米はおいしくても知名度が低い。上州真田氏の歴史と共に全国に広まれば」と期待する。

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