新年 明るい未来に羽ばたく

下野新聞
2016年1月1日

 日光市の男体山(2486メートル)を遠景に、ハクチョウが舞う。

 足利市の県境から直線距離で2キロほど。群馬県館林市にある多々良沼には、日の出時刻から約30分後、東の空から十数羽の群れが飛来した。冬鳥として、シベリアなどの極寒の地から遠路はるばる渡ってきた一群だ。

 男体山に初登頂したとされる人物は、古代下野の僧、勝道上人(しょうどうしょうにん)。山岳信仰による日光開山のために山頂を目指し、初挑戦から約15年の歳月を経て目的を達成したという。

 ことしは勝道が日光山内を開いてから、1250年の節目の年だ。日光入りまでの長く険しい道のりの途中で、県内各地から男体山を遠望し、開山への思いをはせたのだろうか。

 新しい年が明けた。明るい未来に向けて羽ばたく一年としたい。

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