水戸市芸術祭 美術展、多彩な作品246点 4部門、第2期が開幕 26日まで

茨城新聞
2022年6月16日

第53回水戸市芸術祭の美術展覧会第2期が15日、同市五軒町の水戸芸術館現代美術ギャラリーで開幕した。書と写真、デザイン、インスタレーションの4部門で計246点の多彩な作品が展示されている。市文化振興協議会や茨城新聞社などが主催。開館時間は午前9時半~午後6時(入館は午後5時半まで)月曜休館。26日まで。

審査員による第2期の作品の講評と入賞作品は次の通り。(敬称略)

■書

【講評】コロナ禍でありながら昨年と同様の出品があった。若い作家の力強い作品も見られて、今後の希望の光が見えた。大内祥泉さん、二行書を力強くしかも爽やかに表現。一席にふさわしい王道を行く作。江幡鋳卿さん、変化ある文字、印材を採用して幅広い学習姿勢がうかがえた。

▽市長賞「王維詩の一節」大内祥泉
▽市議会議長賞「近業三種」江幡鋳卿
▽市教育長賞「三月一日 道中偶成」飛田恵游
▽市文化振興協議会奨励賞「木下利玄のうた」飯塚冬華
▽茨城新聞社社長賞「睡起」小澤香楓
▽水戸美術家連盟奨励賞「王維詩」永盛恵草「望雲之情」井村等雲「韓偓詩野釣」田山望雲「干謙詩」小島蓮月「梅が枝に」鴨川典子「李流芳詩」八文字聖媛
▽現代美術センター賞「庵の春」中村裕美子
▽水戸美術家連盟会員努力賞「龍焙東風」鈴木静泉

■写真

【講評】作品とは被写体を探そうという気持ちや行動力がなければ、良い出合いは生まれない。写真は被写体を見た時の感動を映像化して、第三者に行えるもの。上位作品には表現にも現代的な格調高い詩情や、ドキュメント的な作品もあり、自己の感性を生かした質が向上している。

▽市長賞「朝練おえて」鈴木一道
▽市議会議長賞「袖吹き返す風」高橋健
▽市教育長賞「慶喜公の街角で」水野正視
▽市文化振興協議会奨励賞「光明の朝」寺沼正道
▽茨城新聞社社長賞「大空へ」長谷川正一
▽水戸美術家連盟奨励賞「雪 ぼうし」塚本勝美「燃える」長谷川博「ひとり咲く」小堀博「花に浮ぶ」高橋實「秋光うけて」高杉則子「想い出づくり」長岡修平
▽現代美術センター賞「なかよし」茂呂順子
▽水戸美術家連盟会員努力賞「刻の流れ」竹脇元治

■デザイン

【講評】デザイン部門は年々出品数が減少し寂しい限りだが、作品の完成度が保たれている。イラストレーションによる作品の傾向は変わりないが、その中でも特賞に選ばれた「AMALGUM」はグラフィティ・アートを思わせ、マークやロゴを感じさせる表現が評価された。

▽市長賞「AMALGUM」千ケ﨑芽衣
▽市議会議長賞「PEACE-日常の幸せ-」前田千彰
▽市教育長賞「夢さんぽ☆『カクレンボ』」飯島めぐみ
▽市文化振興協議会奨励賞「≡≡わんわんSWANボート≡≡」玉垣裕子
▽水戸美術家連盟奨励賞「平和を想う」恩蔵正幸
▽現代美術センター賞「境界線」五十嵐亜季子

■インスタレーション

【講評】自らを取り巻く世界に対して鋭敏な感覚を向け、それに応じる技法や素材を出品者一人一人が探究し生み出した多彩な表現が見られた。現代美術ギャラリーの空間的な特徴が作品の欠かせない要素として構想されている作品もあり、出品者の意欲を感じた。世界に感覚を開いて感受性を養う大切さを考えさせる、見応えのある作品がそろった。
(インスタレーションの部は入賞作品なし)