《釣り》茨城の磯場、虫ヘッドで五目狙い 表層流し30センチクロメバル

茨城新聞
2022年5月14日

茨城県大子町で飲食店を営む筆者だが、大型連休中は書き入れ時、休む間もなく大忙しだ。しかし連休真っただ中、5月5日夜の団体客から突如キャンセルの連絡。がっかりだが体も疲れ気味。ええいお店を休んで釣りに行ってしまえ-と午後5時、上州屋勝田店で青イソメを購入し、遠く六角堂を望む北茨城市の磯場に出かけた。

今回は「虫ヘッド五目」。ゴム製のソフトルアーを刺すジグヘッド(重りと針が一体となった仕掛け)を生き餌を刺す仕様に改良したのが虫ヘッド。生き餌をルアー釣りのように動かして獲物を誘う、ちょっと変わった釣りだ。

クロメバルと今回の仕掛け「虫ヘッド」

 

 

どんな魚がかかるか予想がつかないので、対象魚は特に決めない。明るいうちに海を観察し、海藻の生え際と海中の岩礁のでこぼこを確認しながら4グラムの虫ヘッドで探った。

さおは6・4フィート、2000番の小型リールにミチイトはPE0・4号、ショックリーダー(ハリス)はフロロカーボン1・2号。

この磯場ではシーバスやクロダイなどの大型魚もかかるので、細いラインは禁物。イワシなど小型魚の回遊が見えればよいのだが、そんな様子もなく日は暮れていった。

間もなく満潮となり潮の流れも効かず、何度投げても餌が元気に戻ってくる。虫ヘッドを1グラムにし、手前の海藻の生え際を浮かせたり沈めたりして狙う。ウミタナゴかメバル、アジが釣れそうだ。

すると一気に持っていくアジのアタリ。しかしヒットせず長いイソメが半分に食いちぎられていた。そこでアジが食べやすいようイソメを半分に切って粘ったが、チャンスは一度きりだったようだ。

次はやや沖合、浅めの岩礁へキャスト。時間の経過とともに、潮の流れが効いてきた。長いイソメを刺した1グラムの虫ヘッドを、風の助けも借りてふわりふわりと水深3メートルほどの海中を漂わせ流していく。

深く沈めるとクロダイに食われるので、なるべく表層近くを流す。ちなみにこの時期のクロダイはうまくない。しかし潮の流れは弱く、じわじわと沈んでいく。すると「ごつん」とヒット。「大きいぞ。クロダイか、アイナメか!」。岩場でラインが切れる前にごりごりとリールを巻く。

「お前は誰だ!」とヘッドライトをつけると、なんと30センチのクロメバル。私は料理人、魚料理は得意だぞ。ちょうどよい母の日の贈り物となった。(奔流倶楽部渓夢・上谷泰久)