《食いこ》Nonna Nietta(茨城・つくば市) イタリアの食文化楽しむ

茨城新聞
2022年4月24日

茨城県つくば市並木の住宅街一角にたたずむイタリア料理店「Nonna Nietta(ノンナ ニエッタ)」。「イタリアの食文化を楽しんでほしい」と、オーナーシェフの川村憲二さん(43)と、イタリア出身の妻、グレタ ジュリエット タラッビアさん(30)夫妻が切り盛りする。

川村さんは土浦市出身。大学卒業後、都内のイタリア料理店に就職。数年働いた後に「本場で学び、技術を磨きたい」とイタリアへ渡った。トスカーナ、カラブリア、ナポリ、プーリアなど各地で経験を積んだ。「イタリア料理と一言で言っても、地域でまったく違う」と6年間の修業を振り返る。

2013年に帰国し、都内の飲食店で働いた後、昨年3月に店を構えた。「国際色豊かな土地なら、本場の料理も受け入れてもらえるのでは」と考え、つくばを選んだ。

同店はパスタなど単品は扱わず、コースで料理を提供する。食事の一連の流れの中で食文化を知ってもらいたいとの夫妻の思いからだ。「イタリアではパスタだけ注文する人はいない。料理人に対して失礼に当たる」と川村さんは言う。

中でも手打ちパスタは同店の特徴の一つ。軽い食感を出すため機械は一切使わない。イタリア産の小麦粉に卵や水を混ぜ生地を練り作り上げる。川村さんは「季節や気温でも仕上がりが異なる。少し厚みがあったり薄かったりするが、僕にしかできない」と胸を張る。

川村さんは多様なパスタを手打ちする。四角形の「ラビオリ」、細長いリボン状の「タリアテッレ」、焦がした小麦粉で作った「ストラッシナーティ」、耳形の「オレッキエッテ」…。昼夜のコース料理は2~3種類のパスタが選べる。中でも昼に人気が高いのは「蝦夷鹿の赤ワイン煮、パッパルデッレ」。濃厚なシカ肉、芳醇(ほうじゅん)なチーズの香りとともにとろけるようなパスタの食感が楽しめる一皿だ。

保存するパスタは網に乗せて乾燥させる

 

白壁が印象的な店内。イタリアから取り寄せた家具などが置かれ、まるで温かなイタリアの家庭を訪れたような雰囲気が漂っている。夫妻は「イタリア料理はシンプルで、地域ごとに取れる食材を生かしている。そんな本場の味を楽しんでほしい」と話す。

■お出かけ情報
Nonna Nietta(ノンナ ニエッタ)
▼つくば市並木3の26の28
▼営業時間 ランチは午前11時30分~午後2時30分、3500円~/ディナーは午後6時~9時30分、5500円~
▼定休日は月曜、火曜
▼(電)029(819)2049(予約制)