珠玉の名品、来場者魅了 生誕150年 板谷波山展 茨城・筑西

茨城新聞
2022年4月19日

文化勲章を受章した茨城県筑西市出身の陶芸家、板谷波山(1872~1963年)の生誕150年を記念した展覧会「板谷波山の陶芸-麗しき作品と生涯」が、市内のしもだて美術館、板谷波山記念館、廣澤美術館で開催されている。3館合わせて約180点の名品を展示。繊細な装飾や技術が来場者を魅了した。6月19日まで。

同市丙のしもだて美術館では、国指定重要文化財の「葆光彩磁珍果文花瓶(ほこうさいじちんかもんかびん)」や「葆光彩磁牡丹文様(ぼたんもんよう)花瓶」など、124点の花瓶、つぼ、茶わんなどを出品。来場者は一つ一つの作品をじっくり鑑賞しながら、釉薬(ゆうやく)が生み出した淡い色彩や細かな文様に見入った。

同市大塚の廣澤美術館には波山の生涯で最大作とされる「彩磁蕗葉文(ふきはもん)大花瓶」など46点が並んだ。蕗の葉を意匠に取り込んだ高さ約78センチの大作を目の当たりにした筑西市の堀江一也さん(52)は「写真でしか見たことがなかったが、生で見るとすごい」と感動した様子だった。

期間中は3館を結ぶシャトルバスが運行するほか、観光ボランティアによるガイドツアーや波山を描いた映画「HAZAN」の上映などの催しが行われる。