大谷石文化 巡って学ぶ 宇都宮の推進協 教育旅行プログラムを提供 団体誘致や再来訪図る

下野新聞
2022年4月14日

【宇都宮】市内の石材業者や農家、観光施設事業者36団体でつくる大谷グリーン・ツーリズム推進協議会は本年度、県内や関東の中学校を対象に、日本遺産「大谷石文化」の歴史や採石業を学ぶ教育旅行プログラムの提供を始めた。現地を歩きながら歴史を学ぶ日帰りの滞在型観光で、大谷地区全体の魅力を発信し再来訪のきっかけにする。まずは県内の学校を中心に案内をし、徐々に関東圏に広げる方針。

大谷グリーン・ツーリズム推進協議会は2020年に設立。大谷地区を中心に周辺一帯を活性化させようと、農泊や飯ごう炊飯体験、石切り場跡探検ツアーなどを多数開催している。さらなる地域活性化を図ろうと、団体誘致が可能な教育旅行に乗り出した。

同プログラムで使用する独自の教材も製作した。A4判、18ページで、約1500万年前に大谷石の基となる堆積層が形成され、大谷石となるまでの流れのほか、現地で訪れる施設や文化財に関する説明を記載。生徒らは事前に教材で大谷石文化について学び、その後、現地での学びをクラスで共有するグループワークなどに取り組む。

コースはカネホン採石場、奇岩群、大谷資料館、大谷寺、平和観音の5カ所を結ぶ約2・5キロ。専門知識を持ったガイドと共に3~4時間かけて周回する。経路は実際に石の輸送に使われた道でもあるため、徒歩で回ることで各施設を結ぶ景観を見ながら、当時の様子を思い浮かべてもらう狙いもあるという。

同協議会の加藤敏郎(かとうとしろう)会長(73)は「(生徒らが)大人になって学習旅行を思い出し、自分たちの子どもを連れてくるなど再来訪につながると良い。たくさんの旅行生を誘致したい」と話した。