牛久の「劇団スペースクロラ」 結成10年 地元初公演

茨城新聞
2015年12月24日

結成10周年を迎えた牛久市の「劇団スペースクロラ」が来年1月17日、地元で初の大ホールで公演を行う。題材は、人間と人間そっくりのバイオロイド(人造人間)が共存する世界を描くSFファンタジー。小学生から30代まで多彩な年齢層の男女30人が演じる。出演者は本番へ向け稽古に励んでいる。

作品名は「Dear defect~雨降り橋のロボット~」。舞台はバイオロイドが人間に代わって仕事を担う“未来″。労働階級の仕事がなくなり貧しい人が増える一方、富裕層は使役するバイオロイドを求める。3者がぶつかり、それぞれが翻弄(ほんろう)される姿を描いている。

劇団は2005年設立。メンバー15人で活動する。高校で演劇を経験した団員が多く、各自が出身校に出向き演劇部で指導するうち、興味を持った在校生が参加するなどして活動の輪を広げてきた。

介護士や教員など仕事の傍ら演劇を続けている団員たち。練習は土日、午前9時~午後9時に集中して行う。練習拠点を持たないため、牛久市や龍ケ崎市の公民館を借り、数時間ごとに場所を変える苦労も味わう。

これまでは近隣自治体の小ホールで公演していたが、結成10年を機に晴れて約1200人収容の大ホールの舞台を踏むことに。土浦市で活動する社会人劇団「劇団想像市場」や市民の手も借りる。

団長の野島優さん(32)は作品について「分かりやすく、見た後に希望を持てる内容。SFファンタジーだからこそ気楽に見られる。見る人が自分の視点を(劇の世界に)投影したとき、何かに引っ掛かってもらえれば」と期待を込めた。

会場は、牛久市柏田町の市中央生涯学習センター。午後2時開演。大人前売り1500円、当日1800円、子ども千円。問い合わせは同劇団(電)080(3550)0996

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