コウノトリ 先月産卵か 小山・人工巣塔 推定ふ化今月29日ごろ

下野新聞
2022年3月9日

 小山市は8日、同市下生井の渡良瀬遊水地の人工巣塔で国の特別天然記念物コウノトリのつがいが産卵したとみられると発表した。推定産卵日は2月22日で、ふ化日は今月29日ごろの見通し。ひなが誕生すれば、同所では3年連続となる。

 つがいは巣塔に定着している千葉県野田市生まれの5歳の雄「ひかる」と2歳の雌「レイ」。観察を続けている地元のボランティア団体「渡良瀬遊水地見守り隊」によると、1月下旬ごろから交尾とみられる行動、2月20日ごろから抱卵のために交代で巣に伏せるような行動が確認された。観察記録を研究機関の兵庫県立コウノトリの郷公園などに提供したところ、産卵が推定された。

 渡良瀬遊水地では2020年5月、ひかると雌「歌」との間にひな2羽が生まれた。歌は同10月に脚をけがし、衰弱死。その後、ひかるとレイが遊水地周辺で行動を共にするようになった。昨年春には、このペアから3羽のひなが生まれ、うち2羽が巣立ちした。

 同隊代表の平田政吉(ひらたまさきち)さん(73)は「二度あることは三度ある。今回も2羽以上生まれてほしい」と期待する。浅野正富(あさのまさとみ)市長は「無事にひなが誕生し、大空を舞うことを願う」とコメントを出した。