《食いこ》気持ち込めチョコ手作り メゾンドレンヌ(茨城・ひたちなか市)

茨城新聞
2022年2月9日

14日のバレンタインデーに向け、贈答用や自分用にチョコレートを買う人も少なくない。数あるスイーツの中で、チョコレートに関心が集まるこの時期、茨城県内の洋菓子店は材料や製造方法にこだわったチョコレート作りに追われている。

南仏をイメージした外観

 

ひたちなか市の洋菓子店「メゾンドレンヌ」もそんな一店だ。ショーケースには色鮮やかなケーキと並び、中に詰めものをした一口大のボンボンショコラなど、輝くようなチョコレートがずらり。オーナーパティシエの笠原寿人さん(36)自らが厨房(ちゅうぼう)に立ち、早朝から夜まで手作りしている。

同店のボンボンショコラは、生クリームとチョコレートを混ぜて作ったガナッシュをフォークに乗せ、コーティング用のチョコレートにくぐらせる。仕上げに表面に模様を付けて完成だ。「コーティングは薄過ぎず、厚過ぎず仕上げることが大事」。薄いとチョコレート感が味わえず、厚いと食感が悪くなる。コーティング用のチョコレートは、毎回必要な分だけ溶かして使うため、いつでも出来たてを提供できるという。

贈り物に使われるチョコレートは香りが良く、誰にでも食べやすいものを選ぶ。価格設定は1粒216円からとし、「店のチョコレートを身近なものにしたい」と意気込む。

こだわりは店作りにも表れている。店舗に入ってすぐ正面にある厨房はガラス張り。「こちらからお客さんの顔が見えるし、お客さんにも作っている様子が見えた方が楽しいかなと思って」。石畳風の床をはじめとした内装や、店名になっている南仏のレンヌをイメージした外観、名刺に描かれたロゴなども自らデザインした。

学生時代、友人にチーズケーキを作ったところ、喜んでもらえたことがきっかけでパティシエを志したという。水戸市内の洋菓子店に勤務していた2010年、有名な国内大会のショコラ部門で準優勝。その後、都内でも腕を磨き、昨年2月、念願の店をオープンさせた。

「チョコといえばここだと、皆さんから名前が挙がるような店になりたい」。笠原さんは甘く小さなチョコレート一つ一つに気持ちを込める。

■お出かけ情報
メゾンドレンヌ
▼ひたちなか市はしかべ1の2の11
▼営業時間は午前10時~午後6時半
▼定休日は火曜
▼(電)029(219)6603
▼ボンボンショコラは予約が必要