長尾氏ゆかり 塩再現 足利雷電神社 「諸病平癒」 参拝客に無料配布へ

下野新聞
2022年1月26日

 【足利】2月11日から市立美術館で開催される市制100周年記念特別展「戦国武将 足利長尾(あしかがながお)の武と美-その命脈は永遠に-」に合わせ、足利雷電神社(本城1丁目)は長尾氏ゆかりの「諸病平癒ノ御塩(おしお)」を再現し、参拝客に無料で配布する。昨年2月に近くの両崖山で大規模山林火災が発生し、被災を避けようと氏子総代らが本殿内の宝物や文献を運び出した際、「諸病平癒ノ御塩 御祈願ノ御方ハ自由ニオトリナサイ」と書かれた古い木札などが見つかった。これを機に、神社のにぎわいや地域の絆を取り戻そうと企画した。

 神社の記録によると、足利庄を100年余り統治した長尾氏の3代景長(かげなが)(1469~1528年)が居城を勧農城から両崖山城(小谷城)に移した際、同神社を鎮守とあがめ、社殿を造営したという。

 木札と共に見つかった短冊には、景長が病に伏した際、同神社に供えられていた塩をかゆに入れて食べると、病が速やかに平癒したことから、近郷の人たちが同神社から塩を頂くようになったと書かれていた。

 同神社責任総代の横島和良(よこしまかずよし)さん(74)は「私を含め、地元で塩のことを知っている人はいなかった。せっかく分かったことなので、特別展に合わせ、神社の知名度アップにもつなげたい」と、本城1丁目自治会の協力も得て、諸病平癒ノ御塩の再現を企画した。

 神職におはらいをしてもらった自然塩と、疫病退散などを願う小豆を小袋に詰める作業を総代や地元住民らが続けている。今後、2千袋を目標に準備し、特別展の期間中、1日100袋程度を本殿前に置き、参拝客に持ち帰ってもらう予定という。

 (問)横島さん0284・41・3521。